計測器の原理(特別)

流量計

差圧流式量計
 流量計に絞り機構を設けることで圧力損失を生じる機構です。特徴として、調整弁の弁開度と流量はほぼ正比例します。一方で、信号の伝送に時間遅れを生じるなどの欠点があり、伝送距離は100m以内です。
オリフィス流量計
 オリフィスとは、流量の調節や測定に用いる薄い壁にあけた流体の流れ出る穴のことをいいます。オリフィス流量計は、構造が簡易なため、最も多く使用されますが、流れが急にせき止められるので他の流量計と比べて圧損が大きいです。オリフィス内部が摩耗すると測定誤差が生じます。穴が摩耗し、流路のせき止めや摩耗の原因となるため、流体中への固形物の混入は避けなければなりません。

流量qv

C流量係数Aオリフィスの開口面積p1-p2圧力差ρ流体の密度 [kg/m3]

ベンチュリ管
 下記の図の通り、構造上沈殿物が溜まりにくいです。オリフィス流量計の方が詰まりが発生しやすいです。

面積式流量計

 測定管(テーパ管)内に自由に昇降できるフロートを収め、それを適当な支持具で組立てたものを面積流量計という。鉛直に置かれた測定管の中を流体が下から上に向かって流れると、フロートは流量の変化に応じて上下に動きます。このフロートの動きを検出して流量を求めることができます。

流量qv

C流量係数Aオリフィスの開口面積p1-p2圧力差ρ流体の密度 [kg/m3]

渦流量計
 流れている流体の中に、柱状の障害物(渦発生体)があると、その下流側に交互の渦が発生します。流体の流速と渦の発生周波数は比例関係にあり、渦の個数を検出することで流量が測定するのが渦流量計です。
流速をuとすると周波数fとの関係は

f周波数St定数u流速D渦の流れに対する幅

容積式流量計
 回転子などの可動部とそれを包むケースとの間に形成される一定容積の空間部を升としてその中に流体を充満させて、それを連続的に流出口へ送り出す構造です。

タービン式流量計
 流路の中にロータを設け、流速にほぼ比例した速度で回転します。これを測定することで流量を測定するのがタービン式流量計です。

コリオリ式流量計
 物理法則であるコリオリの力を利用した流量計です。質量流量が測定できる、精度が高い、高粘度液体の測定が可能などの特徴があります。

温度計

ガラス製温度計
 液体の膨張を利用した温度計です。測定に利用する液体としては、水銀または有機液体が多いです。 測定範囲は-10°C~+500°Cです。

バイメタル式温度計
 熱膨張率の異なる2種類の薄い金属を貼り合わせ、温度が上昇すると熱膨張率の小さいへ曲がることで温度を測定します。

熱電温度計
 熱起電力を発生する目的で2種類の導体を電気的に接続し、回路を作り、2つの接合点の温度が異なるようにすると、この回路には両端の温度差に比例した熱起電力が生じることで測定します。

抵抗温度計
 金属にある電気抵抗が温度上昇とともに変化することを利用した温度計です。
 金属としては白金、ニッケル、銅等があります。

液面計

貯槽における液面高さは下記の式で表されます。

p1-p2圧力差ρ流体の密度 [kg/m3]、g重力加速度h液面高さ

ゲージグラス
 ガラスを通して液面を直接見れる液面計です。一般に透視式は不透明な液体や2つの液体の界面の測定に用いられます。反射式は透明な液体の液面測定に用いられます。

差圧式液面計
 ベルヌーイの定理から流体の流れている流路にオリフィス(絞り弁)を設置し、圧力損失を故意に発生させ、オリフィス(絞り弁)の前後の圧力差(差圧)を検出して流量を検出します。差圧発信器本体と受圧部をキャピラリーチューブで連結したリモートシール型差圧系が多く採用されています。

ディスプレッサー液面計
 ディスプレーサ(液体を排除するもの)を液中に浸した際、ディスプレッサーが浮力によって変動することを利用して測定する液面計です。2液以上の液体にも使用可能ですが、高粘度液体には不向きです。

タンクゲージ
 フロート式
  フロートが浮力によって液体上で上下した際、フロート内部にあるマグネットがステム内のリードスイッチを作動させ、検知信号を出力し測定します。
 ワイヤドラム式
  ディスプレーサ(液体を排除するもの)を細いワイヤで吊るし、このワイヤをドラムに巻き取り、ワイヤドラムの回転角をで読み取り測定します。フロート式よりも精度が高いのが特徴です。

圧力計

U字管圧力計(マノメータ―)
 U字型のガラス管に液体を入れ、2箇所の液面高さの差から基準圧力との圧力差を測定することで対象の圧力を測定する圧力計

ブルドン管圧力計
 高圧ガス設備に広く用いられ、負のゲージ圧力を測定することも可能で連成計と呼ばれます。断面が扁平な楕円形の金属管があり、圧力を加えると、管が変形します。この変位量を読み取ることで測定します。ブルドン管の前面はガラスであるため、内圧を背面から開放し万一、高い圧力によって破裂した際にガラスが飛び散らないように安全窓が付いたものがあります。

隔膜式圧力計
 圧力を受ける部分に隔膜が取り付けられた圧力計です。これをダイアフラムと呼び、隔膜によって測定物に直接触れることなく圧力を測定可能です。内部は液体が真空で封入されており、隔膜で圧力を受け取った後この液体を通して圧力が伝わって計測されます。腐食性の強い流体、凝固しやすい流体、固形物が混ざった流体、高粘度の流体測定に適しています。

ベローズ式圧力計
 ベローズは蛇腹状の深いひだをもった圧力計で、ベローズに圧力を加え、変形する動きで歯車を動かし指針を動かして圧力を測定します。

差圧発信器
差圧伝送器は、発生した差圧を空気圧信号あるいは電気信号の取り扱いやすい信号に変換し、受信計へ伝送することで測定します。
 電子式差圧発信器
  信号の伝送遅れがないので、遠距離の測定に使用可能で、大型プラントで利用される。
 空気式差圧発信器
  電気を使わないため、防爆が必要な際に使用されます。信号の伝送に遅れを生じる欠点があります。

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