熱力学においてエネルギーの変化を考察する場合、直接考察の対象にするものを系と言います。ある系においてエネルギーの変化を考えると下記のようにシリンダとピストンの動きで例えられます。
温度が上昇すると気体が膨張することで内部エネルギーが増加し、ピストンが外側に向かって動くことで外側に仕事をします。
熱力学第1法則からある系におけるエネルギーは熱量をQ、内部エネルギーをU、仕事をWとすると
Q = U + Wで表されます。
等温圧縮・・等温変化では、温度が一定です。つまり、温度変化がないため、内部エネルギーも変化しないので、U=0で上式からQ = Wになります。また、圧縮とは気体の体積が小さくなることなので、ピストンは内側に動くため、仕事は内側に行います。
断熱圧縮・・断熱圧縮では、熱の出入りがないため、Q=0となります。Q=0により、0 = U + Wとなります。 イメージとしては、下記のように系への熱の変化を遮られた状態を指します。
①ターボ形圧縮機
空気にインペラ(羽根車)の遠心力により回転エネルギーを与え、回転エネルギーを圧力に変換する圧縮機を言います。
(1)遠心圧縮機・・体を羽根車からディフューザーに流し遠心方向に徐々に減速させることにより、運動エネルギーに変換する圧縮機を言います。多段化は難しいものの1段あたりの圧力比が大きいことが特徴で、主な構造は下記です
・羽根車(インペラ)
・主軸(シャフト)
(2)軸流圧縮機・・空気が、シャフトに沿って何列もの回転するブレードと固定ブレードを通過することで、軸流を発生させる圧縮機を言います。
②容積形圧縮機
ケーシング内またはシリンダ内に閉じ込めた気体を送り出し圧力を高める圧縮機を言います。主に往復圧縮機と回転式圧縮機があります。
(1)往復圧縮機
ピストンによりガスを高圧で吐出する圧縮機を言い、レシプロ圧縮機とも呼ばれます。圧縮段数を増やすことで多段圧縮機としたり、シリンダへの注油の有無により給油圧縮機と無給油圧縮機があります。主な構成部品は、ピストン(ピストンロッド)、ピストンロッドパッキン、シリンダ、弁等です。
(2)回転式圧縮機
回転式圧縮機には主にスクリューとベーンの2種類の回転機があります。
スクリュー圧縮機
スクリューロータ※1を回転させガスを送り出す圧縮機で、ねじ圧縮機とも呼ばれます。
※1 螺旋らせん形状の回転体
ベーン圧縮機
偏心したロータを回転させガスを送り出す圧縮機のことを言います。