保安設備 練習問題・演習問題 乙種化学・乙種機械 保安管理

保安設備の過去問傾向

 安全・信頼性については、乙種化学、乙種機械ともに保安管理技術にて出題される分野です。2012年からの過去の12年分から出題傾向をまとめました。保安設備に関しては15項目出題されており、幅広く出題されています。また、年によって、出題される内容片寄りが多い分野でもあります。出題回数の多い問題についてはしっかりと覚えれば、正解しやすい分野だと考えます。

項目出題数
破裂板9
緊急遮断装置9
ばね式安全弁5
溶栓4
スイング4
逃し弁3
多段式往復圧縮機2
逆流防止装置2
その他10

練習問題

 ここでは、保安設備における基本的な用語や知識に関する問題を掲載しています。問1~11は過去に2回以上出題された内容に関する内容です。問12~15は過去に1度出題された問題に関する内容です。問16以降は、出題されたことはないものの重要と思われる内容を記載しています。
 次の各問について、適切な語句や意味を答えなさい

問1.あらかじめ決められた設定圧力で確実に作動するノンメカニカルな圧力安全装置を何というか。

解答:破裂板(ラプチャーディスク)

問2.容器の破裂等を防止するため、高温になると可溶合金が溶融して内部の流体を外部に放出し、破裂を防止するためのものを何というか。

解答:溶栓(可溶栓)

問3.ガス設備から災害、機器トラブルに起因する2次災害が発生しないように、防止するために設置する装置を何というか。

解答:緊急遮断装置

問4.円筒コイルばねにより弁体を弁座に押し付けておき、内圧がばねの力より大きくなると弁体が上がり、内部流体を放出し圧力を降下させるを何というか。

解答:ばね式安全弁

問5.ポンプや液体配管などに設置され、主として内部の液体の圧力上昇を防止するために用いる弁を何というか。

解答:逃し弁

問6.多段往復圧縮機にそれぞれ設置するものは何か。

解答:安全弁

問7.ガスが逆流することを防ぐ装置を何というか。

解答:逆流防止装置

問8.流体を一方向に流し、逆流防止を目的に使用されるバルブを何というか。

解答:スイング

問9.可燃性液化ガスの貯槽の負圧防止対策として、用いられるのは何か。

解答:真空安全弁

問10.弁座口から吹き出した流体の一部が安全弁の出口以外からも外部へ放出する安全弁を何というか。

解答:開放型安全弁

問11.ボール状の弁体が上下するボール チャッキ、弁体が弁棒にそって上下する逆流防止を目的に使用されるバルブを何というか。

解答:リフト

問12.入口側の圧力が上昇し、あらかじめ定められた圧力になったときに弁体が開いて流体(蒸気又はガス)を排出し、圧力が所定の値に降下すれば再び弁体が閉じる機能をもつバルブを何というか。

解答:安全弁

問13.弁座口から吹き出した流体が安全弁の出口以外の部分から放出されないを何というか。

解答:密閉型安全弁

問14.気体用や液体用の配管に取り付けておき、流体の背圧によって弁体が逆流を防止する形で作動する構造にした弁を何というか。

解答:逆止弁

問15.問14の弁を2種類答えなさい。

解答:スイング逆止弁、リフト逆止弁

演習問題

次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。

問1.可燃性ガスや毒性ガスの場合はばね式安全弁として開放型を用いる。

解答:誤り 開放型 → 密閉型
解説:弁座口から吹き出した流体が安全弁の出口以外から放出されないため、大気に漏れてはいけない可燃性ガスや毒性ガスに用いられます。

問2.多段式往復圧縮機の出口付近1箇所に安全弁を設置した。

解答:誤り 出口付近1箇所に → 各段に
解説:多段往復圧縮機では各段に安全弁が必要です。
重要:多段式往復圧縮機に関する問題は過去に2回出題されてます。

問3.真空安全弁は、可燃性液化ガスの貯槽の負圧対策として用いられる。

解答:誤り 用いられる。 → 用いられない。
解説:真空安全弁は、貯槽の負圧対策として用いられるが、可燃性ガスでは、大気から空気を吸込み、火災や爆発につながる可能性があるため、使用されません。

問4.水平に設置された配管に、ばね式安全弁の弁軸が鉛直方向なるようにして取り付けた。

解答:正しい
解答:水平な配管に対して、下側に付ける倒立取付等は行わない。
重要:ばね式安全弁に関する問題は過去に5回出題されてます。

問5.破裂板は、構造が簡単で、固着性の流体に適している。

解答:正しい
解説:破裂板は、 高粘性、固着性、腐食性の流体に適している。
重要:破裂板に関する問題は過去に9回出題されてます。

問6.破裂板は、圧力降下に時間がかかり、負圧による破損防止には用いられない。

解答:誤り 圧力降下に時間がかかり→短時間で圧力降下し、 用いられない→用いられる
解説:破裂板は過剰圧力、負圧対策のどちらでも用いられる。
重要:破裂板に関する問題は過去に9回出題されてます。

問7.破裂板は、定期的な交換が必要である。

解答:正しい
解説:一度作動すると運転を停止し、破裂板の取り替えが必要なため、定期的に交換することで、知らないうちに作動していることを防ぎます。
重要:破裂板に関する問題は過去に9回出題されてます。

問8.逃し弁は、設定圧力になると自動的に弁が開き、内部の流体を放出する。

解答:正しい
解説:逃し弁は、ポンプや液体配管などに設置されます。
重要:逃し弁に関する問題は過去に3回出題されてます。

問9.可溶栓は、規定温度以下になると可溶合金が溶融して内部の流体を放出し、容器の破損を防止する安全装置である。

解答:誤り 以下 → 以上
解説:可溶栓は一般に高温で溶解する。
重要:溶栓に関する問題は過去に4回出題されてます。

問10.可溶栓には、ビスマス、スズ等を主成分とする合金が用いられる。

解答:正しい
解説:ヒューズメタル、可溶合金安全弁とも呼ばれます。
重要:溶栓に関する問題は過去に4回出題されてます。

問11.緊急遮断装置は、ガス漏洩や火災が発生した場合、その災害の拡大防止のために設備からの漏えいのみを目的として使用する装置である。

解答:誤り 漏洩のみ → 2次災害の発生防止
解説:火災時の原料供給を止めたり、火災の拡散をブロックするためにも用いられる。

問12.減圧を行う設備があったので、高圧側の圧力に合わせて安全装置を設置した。

解答:誤り 高圧側の圧力に合わせて → 高圧側と低圧側に分けて
解説:例えば、減圧前の圧力が3.0MPaで、減圧後の圧力が1.0MPa以下である場合、高圧側に合わせた場合、減圧後の安全弁が作動する圧力は3.0MPaであるため、高圧ガスの申請がされていないのに、1.0MPaを超える可能性があります。

問13.貯槽の緊急遮断装置の取り付け場所は、貯槽から5m以上離して設置した。

解答:誤り 取り付け場所 → 操作場所
解説:操作場所を離して設置する必要はあります。コンビ測適用の事業所では10m以上離します。

問14.液体の長距離配管に緊急遮断弁を設置するときでも、弁の閉止速度はすぐに閉まるようにする。

解答:誤り すぐに閉まるようにする。 → 速すぎないようにする。
解説:ウォータハンマーによって破損されないように注意する必要があります。
重要:緊急遮断弁に関する問題は過去に9回出題されてます。

問15.スイング逆止弁は、垂直配管に取り付けられない。

解答:誤り 取り付けられない。 → 取り付けられる。
解説:流路が力線のため、水平配管、垂直配管に用いられます。
重要:スイング逆止弁に関する問題は過去に4回出題されてます。

問16.リフト逆止弁を、 水平配管に取り付けた。

解答:正しい
解説:リフト逆止弁は、水平配管のみに取付け可能です。

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