管内の流れと流体の基礎

質量流量:単位時間あたりに断面を通過する流体の質量のこと。単位は[kg/s]
体積流量:単位時間あたりにある面を通過する流量の体積のこと。単位は[m3/s]
流体の平均流速をuとすると
qv=Au
qm=Auρ
qv:体積流量[m3/s]、A:管の断面積[m2]、u:平均流速[m/s]、qm:質量流量 [kg/s]、ρ:密度[kg/m3]

層流・乱流とレイノルズ数

 流体が流れると、その流れには早さがあり、その速さにも流れの場所によって早いところ、遅いところがあります。流れ方の違いによって下記の3つに分類されます。

層流・・・流体が規則的に揃い流れる状態
遷移域・・層流から乱流に移る状態
乱流・・・流体が複雑に混じり合いながら、不規則な渦運動をする流れの状態
流れが規則的なのか不規則的なのかまたは、その中間なのかによって分けられ、上記3つのいずれの状態かを判断するのに、レイノルズ数があります。

レイノルズ数・・・レイノルズ数には単位がありません。このことを無次元数と言います。

Re :レイノルズ数[無次元]
D:管の内径[m]
U:平均的な流速[m/s]
ν =η/ρ:動粘性係数[㎡/s]
η:流体の粘性係数[kg/m・s]

また、最大流量をUmaxとすると

となります。

管路のエネルギー損失
流体が流れると摩擦によってエネルギーが減少します。そのエネルギー損失は、下記のファニングの式で表されます。

F:摩擦による流れのエネルギー損失
f:摩擦係数
u:流体の平均速度[m/s]
L:配管長さ[m]
D:管の内径[m]

また、層流における管摩擦係数fはレイノルズ数を用いて、下記で表されます。

これは乱流では上記の式で求めることができません。

流体のエネルギー

連続の式とは「定常流れにおいて、流体の質量流量は流線上のどの断面でも常に一定である」という法則です。

配管の入口から流体は配管に穴があったり、配管途中に別の配管が接続されていない限り、増えたり減ったりせず、出口から出てきます。流体の密度(ρ)が変わらない場合、単位時間あたりに断面を通過する流体の質量は変わりません。このことから質量流量が同じであると成り立ちます。

qm:質量流量 [kg/s]、ρ:密度 [kg/m3]、A:管の断面積[m2]、u:平均流速[m/s]

ベルヌーイの定理
理想流体の定常流れにおいて、流線上でエネルギーが保存される」ことを示した定理です。

P:圧力 [Pa]、ρ:密度 [kg/m3]、z:高さ [m]、v:流速[m/s]、g:重力加速度[m/s2

ピトー管(ベルヌーイの定理の応用①)

ピトー管:全圧と静圧を測定することで流体の流速を測定する装置

u:流速[m/s]、g:重力加速度[m/s2]、h:マノメータの封液の差、ρs:マノメータの封液の密度 [kg/m3]、ρ:流体の密度 [kg/m3]、K:定数

動圧は流速の2乗に比例することが知られています。

オリフィス(ベルヌーイの定理の応用②)

u:流速[m/s]、g:重力加速度[m/s2]、h:高さ[m]、ρ:流体の密度 [kg/m3]

C:流量係数、A:オリフィスの開口面積

nerima9worker

高圧ガス製造保安責任者試験の研究をしているガス+α 産業ガスの会社に勤務している現役のエンジニアです。 2022年1月から高圧ガスの試験問題・検定問題を研究しています。 平成25年(2013年)の問題から現在までの出題傾向を踏まえオリジナルの類題を掲載しています。

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