反応速度 練習問題・演習問題 乙種化学 学識

反応速度の過去問傾向

 反応速度については、乙種化学の学識にて出題される分野です。2012年からの過去の12年分から出題傾向をまとめました。反応速度に関しての出題は出題内容に偏りがあり、反応速度、濃度、関数、アレニウスの式に関する問題が多く出題されています。反応速度に関する問題は暗記問題であり、知識を問う問題が出題されますが、聞き方が異なるだけで、似た内容が多いため、正解したい分野です。

項目出題数
反応次数10
濃度9
関数7
アレニウスの式7
反応速度定数6
活性化エネルギー3
その他6

練習問題

 ここでは、理想気体の分野における基本的な用語や知識に関する問題を掲載しています。問1~8は反応速度に関して、過去に複数回出題された内容に関する内容です。
 次の各問について、適切な語句や意味を答えなさい。

問1.反応速度vを「反応物」「減少量」という言葉を用いて答えなさい。

解答:v = 反応物の濃度の減少/反応時間
上式で重要なのは、「反応物」で表す場合、「減少量」であることです。

問2.反応速度vを「生成物」という言葉を用いて答えなさい。

解答:v = 生成物の濃度の増加/反応時間
上式で重要なのは、「生成物」で表す場合、「増加量」であることです

問3.反応速度を変える要因を2つ答えよ。

解答:温度、触媒、反応物(左記のうち2つ)
反応速度は温度が高いほど大きくなる。
触媒は、反応の前後で自身は変化しないが、反応速度を大きくする物質をいう。
反応物の濃度を増加させるほど、反応速度が大きくなる。

問4.反応定数kを「頻度因子A」、「活性化エネルギーΔE」、「温度T」を用いて表しなさい。

解答:k = Ae-ΔE/RT
この式をアレニウスの式と言います。
アレニウスの式からわかることは、速度定数kは温度に依存するということです。

問5.反応速度が温度に依存していることを表した式を何というか。

解答:アレニウスの式

問6.反応の出発物質の基底状態から遷移状態に励起するのに必要なエネルギーを何というか。

解答:活性化エネルギー

問7.反応速度がu = k [NO2] 2で表される時の反応次数を答えよ。

解答:2次

問8.次の「 H2 + I2 → 2HI 」を反応速度定数kを用いて反応速度式で表しなさい。

解答:u = k [H2][I2]

演習問題

 次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。

問1.逆反応の反応速度は正反応の反応速度に比例する。

解答:誤り 比例する。 → 比例しない。
解説:反応速度は反応物質の係数によって決まります。正反応、逆反応に明確な関係はありません。

問2.反応速度は反応物のべき関数で表される。

解答:正しい
解説:反応物の濃度、温度、触媒に影響を受け、べき関数で表されるため、生成物濃度に比例等はしません。
重要:べき関数に関する問題は過去に7回出題されてます。

問3.正反応の反応速度は、微小時間での反応物の濃度の増加量、または生成物の濃度の減少量で表される。

解答:誤り 増加量、減少量が逆
解説:A→Bの反応における反応速度は、下記で表されます。

A→Bの反応において、Aは時間とともに減少し、Bは時間とともに増加します。

問4.反応速度は着目する化合物の濃度変化によって異なる。

解答:誤り 異なる。 → 同じである。
解説:反応速度は、A→Bの反応において、v=-d[A]dt=d[B]dtで表されるため、着目する化合物で変わることはありません。また、正反応の反応速度が、生成物の濃度と反応物の濃度の積に比例することはありません。
重要:濃度に関する問題は過去に9回出題されてます。

問5.反応次数は、決められた値であり、同一の反応であれば、用いる触媒や反応条件によって変わらない。

解答:誤り 決められた値であり、同一の反応であれば、用いる触媒や反応条件によって変わらない。 → 実際に反応させて求められる値であり、同一の反応であっても用いる触媒や反応条件により一般的には変わる。
解説:反応次数は、触媒や反応温度によって変わるため、反応させて始めて決まる値です。

問6.反応速度定数は反応物と生成物によらず、温度、圧力によって決まる。

解答:正しい
解説:反応速度定数は、A:頻度因子、ΔE:活性化エネルギー、T:反応温度とすると次式で表されます。
重要:反応速度に関する問題は過去に3回出題されてます。

問7.反応温度を上げると一般に反応速度定数は増加する。

解答:正しい
解説:反応速度定数は、A:頻度因子、ΔE:活性化エネルギー、T:反応温度とすると次式で表されます。 そのため、温度が増加すると反応速度定数が大きくなります。
重要:反応速度の変化に関する問題は過去に3回出題されてます。

問8.反応速度はアレニウスの式で表され、正の値である活性化エネルギーに依存する。

解答:正しい
解説:反応速度は、温度にも依存します。
重要:アレニウスに関する問題は過去に7回出題されてます。

問9.反応次数が3である反応を3次反応と呼ぶ。

解答:正しい
解説:反応次数の数によって、〇次反応と呼びます。
重要:反応次数に関する問題は過去に10回出題されてます。

問10.速度定数kはアレニウスの式で表され、濃度依存性を表す。

解答:誤り 濃度依存性 → 温度依存性
解説:速度定数と濃度には関係性がありません。

nerima9worker

高圧ガス製造保安責任者試験の研究をしているガス+α 産業ガスの会社に勤務している現役のエンジニアです。 2022年1月から高圧ガスの試験問題・検定問題を研究しています。 平成25年(2013年)の問題から現在までの出題傾向を踏まえオリジナルの類題を掲載しています。

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