安全・信頼性については、乙種化学、乙種機械ともに保安管理技術にて出題される分野です。2012年からの過去の12年分から出題傾向をまとめました。安全・信頼性に関しては8項目出題されており、かなり出題に偏りのある分野です。ハザードの特定方法は、頻出以外も含めて必ず覚えるようにしてください。出題傾向が顕著な分野のため、必ず正解したい所です。
項目 | 出題数 |
FTA | 10 |
HAZOP | 8 |
リスクアセスメント | 5 |
フェーズ理論 | 4 |
What-if | 4 |
特性要因図 | 3 |
ハザードの特定 | 3 |
相対危険度評価法 | 2 |
その他 | 9 |
ここでは、安全・信頼性における基本的な用語や知識に関する問題を掲載しています。問1~7は過去に2回以上出題された内容に関する内容です。問8~10は過去に1度出題された問題に関する内容です。問11以降は、出題されたことはないものの重要と思われる内容を記載しています。
次の各問について、適切な語句や意味を答えなさい。
問1.対象となるシステムに起こってはならない事象を頂上事象として設定し、その頂上事象を出現させる原因を機器・部品レベルまで次々に掘り下げていく演繹的解析手法を何というか。
解答:FTA
問2.化学プロセスのようにフローシートで表されるものについて操業条件の変化を定められた手引用語に従って調べ、それぞれの変化の原因と結果、とるべき対策を表にまとめて検討する手法を何というか。
解答:HAZOP
問3.危険な事象の起こりやすさと、危険な事象が発生した場合の影響度から決められるリスクを定量化し、許容範囲にあるかどうかを評価することを何というか。
解答:リスクアセスメント
問4.人間の信頼性が依存している意識レベルを5段階に分けた考え方を何というか。
解答:フェーズ理論
問5.「もし・・ならば」と質問を繰り返すことで、設備面、運転面での潜在危険を洗い出し、それに対する安全対策を講じることによりシステムの安全化を図る手法を何というか。
解答:What-if
問6.原因と結果を魚の骨のような図で表した特定手法を何というか。
解答:特定要因図
問7.プロセスの持つ危険性について、指標値を用いて各種のプロセスプラントを相対的比較評価する定量的評価技法を何というか。
解答:相対危険度評価法
問8.ある事象がどのような結果を起こしうるかを樹木の枝分かれ式に追及し分析する帰納的解析手法を何というか。
解答:ETA
問9.プラントをユニットに分け、ユニット毎に火災爆発指数を用いて、相対的に危険度の評価を行うと共に、防災対策選定のガイド値としても使われ方式を何というか。
解答:ダウ方式
問10.ヒヤリとしたりハッとしたりする危険な状態を何というか。
解答:ヒヤリ・ハット
問11.1件の重大事故の背後には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、さらにその背後には事故寸前だった300件のヒヤリハットが隠れているという考えを何というか。
解答:ハンインリッヒの法則
問12.品質管理の4Mとは何を指すか答えよ。
解答:MAN(人)、MACHINE(機械)、MEDIA(媒体、環境)、MANAGEMENT(管理)
問13.意識がぼけたサブノーマルな状態であり、注意や判断がうまく働かず、間違いを起こす確率が極めて高い状態はフェーズ理論のどういった状態か。
解答:フェーズⅠ
問14.人為的に不適切な操作および過失を犯さないよう機器に対して配慮することと仮にミスを犯しても機器の安全を保持することを何というか。
解答:フェール・セール
問15.機器・設備に異常および故障が生じたときでも、装置が安全な状態になるよう設計上考慮すること
解答:フール・プルーフ
次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。
問1.手引用語に従って、操業条件の変化に対してそれぞれの原因と結果、とるべき対策を表にまとめて検討する信頼性・安全性解析手法はHAZOPである。
解答:正しい
解説:HAZOPは網羅的に進め、単一事象、トラブルの解析に適用する。
重要:HAZOPに関する問題は過去に8回出題されてます。
問2.HAZOPは、評価対象機器を構成する部品の故障率データによって、機器故障の発生確率を定量的に評価することができる。
解答:誤り HAZOP→FMECA
解答:FMEA評価対象部位に故障率データを取り入れた場合、システムに致命的な影響を与える故障モードを定量的に評価できます。
重要:HAZOPに関する問題は過去に8回出題されてます。
問3.リスク分析において、FTAのトップ事象を選定する手法としてHAZOPを用いた。
解答:正しい
解説:HAZOPは不足している安全対策や網羅的にまた、単一事象、トラブルの解析にも用いられます。
重要:HAZOPに関する問題は過去に8回出題されてます。
問4.ダウ方式は、危険指数を算出して、相対的な危険度を評価する手法である。
解答:正しい
解説:プラントをユニットに分け、ユニット毎に火災爆発指数を用いて、相対的に危険度の評価を行うと共に、防災対策選定のガイド値としても使われます。
問5.相対危険度評価法であるダウ方式は、詳細な安全解析を実施するスクリーニングや安全防災対策の優先順位を選定するに当たっての判断材料としては利用できない。
解答:誤り 利用できない→利用できる
解説:相対的に危険度の評価を行うと共に、防災対策選定のガイド値としても使われます。
重要:相対危険度評価法に関する問題は過去に2回出題されてます。
問6.FTAは、事故などを頂上現象として設定し、その事象に関係する因果関係をツリー状に表示していく帰納的解析手法である。
解答:誤り 帰納的解析手法→演繹的解析手法
解説:FTAは演繹的な信頼性・安全性解析手法です。
重要:FTAに関する問題は過去に10回出題されてます。
問7.リスク解析において、爆発事故を頂上現象としてFTAによって解析し、その爆発事故の発生確率を推算した。
解答:正しい
解説:機器・部品の故障率を用いるにより頂上事象の発生確率を解析することも可能です。
重要:FTAに関する問題は過去に10回出題されてます。
問8.What-ifは、操作条件の変化を定められた手引用語に従って調べ、原因と結果の対策を網羅的に検討する手法である。
解答:誤り 網羅的に→×
解説:網羅性を高めることはできませんが、複数の事象の組合せを想定することは可能です。
重要:What-ifに関する問題は過去に4回出題されてます。
問9.What-ifは、設備面、運転面でのハザードを特定し、それに対する安全対策を検討することでシステムの安全化を図ることで定量的に評価できる手法である。
解答:誤り 定量的に評価できる→×
解説:数値化されるわけではないため、定量化はできません。
重要:What-ifに関する問題は過去に4回出題されてます。
問10.作業直前の指差呼称は、フェーズ理論でをフェーズⅡにする効果がある。
解答:誤り フェーズⅡ→フェーズⅢ
解説:フェーズⅢは意識レベルが集中している状態であり、間違いや操作ミスはほとんど起こしません。
重要:フェーズ理論に関する問題は過去に4回出題されてます。
問11.4Mは、事故や災害に複雑に絡む人、物、環境などの要因を整理することにより、原因の本質を捉えやすくする考え方である。
解答:正しい
解説:品質管理においてMAN(人)、MACHINE(機械)、MEDIA(媒体、環境)、MANAGEMENT(管理)の4つの要因があります。
問12.ヒヤリ・ハット活動は、危険な事象が小さいうちに事故の芽を摘むことを目的としているため、各人の安全の意識を高めることを期待するものではない。
解答:誤り 期待するものではない。→期待するものである。
解説:ヒヤリハットはハンインリッヒの法則に基づくものです。
問13.保安防災におけるリスクアセスメントは、対象設備のハザードを設定し、発生確率と影響度によって、許容範囲内にあるかを評価することである。
解答:正しい
解説:リスク評価を行い、事前に対策することをリスクマネジメントと言います。
重要:リスクアセスメントに関する問題は過去に5回出題されてます。