粘性・・・物質のねばりの度合は下記の定義で表される。
定義:粘性のある物体を面積 S 、間隔をh にした2枚の平板間にはさみ、平板を相対速度 U で平行に動かすと、動いている方向と反対方向に剪断応力(摩擦応力ともいう) τが発生する。物体と板の間に発生する力をF と置くと、F は間隔 h の逆数と相対速度 U に比例し、
τ = μv/h
と表現される。この比例係数μが粘度である。
体積流量:単位時間あたりにある面を通過する体積から流量を割り出す方法
体積流量Qv[m3/s]=断面積[m2]×平均流速[m/s]
質量流量:単位時間あたりにある面を通過する質量から流量を割り出す方法
質量流量 Qm[kg/s]=密度ρ [kg/m3]×断面積A [m2]×平均流速v[m/s]
円管内の流れ
非圧縮性流体の円環内の流れの状態は2種類に分けられることがわかっています。
1つを層流と言い、流れがゆっくりとしているときは隣り合う流体の部分が交差することなく並んで流れていきます。このように不規則な変動を含まない定常な流れを層流と言います。また、もう1つを乱流と言い、流速が大きくなると渦を生じて乱れた流れになります。このように、流体の速度や圧力などが不規則に変動する流れを乱流と言います。
層流なのか、乱流なのかは下記の式で表されるレイノズル数を求めることでわかります。
Re:レイノルズ数
L:代表長さ[m]
U:代表速度[m/s]
ρ:流体密度 [kg/m3]
μ:粘性係数[Pa・s]
Re(レイノルズ数)>4,000であれば乱流、2,100<Re(レイノルズ数)であれば層流となります。2,100<Re<4,000の間は遷移域といい、乱流と層流が混ざった状態となります。
流れのエネルギーについて
定常流・・・圧力・流速・密度のすべてが時間的に変化しない流れを言います。
ベルヌーイの定理
温度一定で流れている非圧縮性流体が保有するエネルギーには、運動エネルギー、位置エネルギー、圧力エネルギーがあります。理想流体の定常流れにおいて、流線上で上記のエネルギーが保存されることを表しています。
P1 + 1/2P1V12 + P1gZ1 = 一定
ベルヌーイの定理の応用
ベルヌーイの定理は流量計の測定にも応用されており、ピトー管、オリフィス流量計、ベンチュリ流量計での測定原理に用いられています。
管摩擦係数
管摩擦係数fは管径、流速、流体の種類に依存するが、乱流では、Reおよび管壁の相対粗度の関数になる。この関係式は下記で表される。
Re=ρud/μ
つまり相対粗度が増大すると管摩擦係数も大きくなるが、Reが大きくなるとfはReに依存しなくなる。
層流では管壁の粗度に関係なく、下記の式で表される。
f = 16/Re
熱の伝わり方には、下記の3種類があります。
1.伝導伝熱・・・同一物質内における熱移動を伝導伝熱という
2.対流伝熱・・・固体と流体間の熱移動を対流という
3.放射伝熱・・・熱を持った物質から電磁波として熱が放射される現象
フーリエの法則
dQ = −λ × (dθ/dx) × A
熱伝導率λは物質の構造に関係する固有の物性値で、温度に依存する。一般に金属は大きく、次いで非金属固体あるいは液体、気体の順に小さくなる。
金属の熱伝導率は非金属固体よりも大きな値を示し、電気の良導体ほど熱伝導率は大きくなる。プラスチックやゴムなどの発泡体、レンガなどの多孔質固体では、その伝導機構は熱伝導だけとはいえないが、材料内に無数の空気やガスを含む気孔があるため熱伝導率は極めて小さく、工業上、断熱材として使用できる。
熱貫流・・・固体壁で隔てられた温度の異なる2つの流体間の熱の移動をいう。
放射伝熱・・・放射伝熱のエネルギーEは下記の式で表される。
E = σT4
σ:ステファン・ボルツマン定数、T:温度
蒸留・・2つの混合液体を沸点の違いを利用して分離する方法
ガス吸収・・気体原料と液体分離剤を接触させ、気体の溶解性の違いを利用して、溶質ガスを液体へ移動させる操作
気体の液体への溶解度は、その物質の気相分圧が高いほど、温度が低いほど増加する。温度一定下では、その物質の気相分圧が低く、かつ溶解度が小さいとき、溶解度は気相の分圧に比例する。
PSA(Pressure Swing Adsorption)・・・圧力を変化させることで、混合ガスの内、吸着剤へ吸着しやすい物質を吸着させ、その後吸着剤から分離することで、ガスを分離する方法です。吸着塔での圧力操作は短時間で行われるため、大量のガスを処理することができる。
PSAでは、非極性ガスであるH2、N2、Arに用いられる。また、この時、吸着剤として活性炭、ゼオライト、モレキュラーシーブスが用いられる。
TSA(Temperature Swing Adsorption)・・・力を変化させることで、混合ガスの内、吸着剤へ吸着しやすい物質を吸着させ、その後吸着剤から分離することで、ガスを分離する方法です。温度の変化自体が時間がかかるため、一度に短時間で大量のガスを処理できない。そのため、不純物質の少ない精製に用いられる。
多孔質膜・・・たくさんの小さながあり、その穴より大きい物質は透過せず、穴より小さい物質のみを通すことで分離する。