パッキン・ガスケットの利用
静止設備の接続部分からの漏洩防止
塔・槽
低圧ガスが通るフランジ → ジョイントシートガスケットを用いる。
中圧ガスが通るフランジ → メタルジャケットガスケットを用いる。
高温、高圧のガスが通るフランジ → 渦巻型ガスケットor金属リングガスケットを用いる。
反応塔の大口径の端部フランジまたは超高圧装置のフランジにガスケットは自己緊密式を用いる
熱交換器
ノズル、シェルカバー → ジョイントシート、メタルジャケットガスケット、金属リングガスケット等を用いる。
バルブ
グランドパッキンは繊維、黒煙を主材としたものを用いる。
機械の動作部分からの漏洩防止
a) 往復圧縮機の軸封装置
往復圧縮機の軸封は主にピストンリング、ピストンロッド、バルブの3か所です。
ピストンロッドパッキン
シリンダーを貫くピストンロッドとのすきまから漏れる可能性があります。その漏れを防ぐためにピストンロッドパッキンを用います。往復圧縮機では給油式、無給油式があり、給油式ではテフロンパッキン等の発熱を抑える効果があります。無給油式では、発熱が大きく、テフロンパッキン等冷却が必要です。
ラビリンスピストン
ラビ リンス形式は、ピストンの外周に凹凸の溝(ラビリンス構造:迷路)を設け、ラビリンス構造により気密を保たせるもので、給油を必要としません。
b) 遠心圧縮機の軸封装置
ラビリンスシール
軸受や歯車などの潤滑油に異物が浸入しないように、機械の回転軸とハウジングの間
で封止(シール)するための部品を言い、数枚挿入する形式が一般的です。わずかな不活
性ガスが圧縮機内に入ることを許される場合には、ラビリンスの途中に部屋を設け、不
活性ガスを吹き込み方法があり、インジェクションシールと言います。
オイルフィルムシール
軸の周りにガス側とわずかなすき間を有するリングがはめ込まれ、2つのリングの間
にガス圧よりわずかに高い圧力の油を供給し、油膜を形成させ、ガスがすき間から大気
中に漏れるのを防ぐ構造になっています。
ドライガスシール
潤滑油を使用しない軸封シールのことです。摩擦係数が小さく発熱が少ないことから、高圧のガス圧縮機において使用率が増加しています。若干のガス漏洩が、許される場合に用いられます。
c) 往復ポンプの軸封装置
ピストンロッドパッキンとしてグランドパッキンを使用する
d) 遠心ポンプの軸封装置
グランドパッキン
ポンプ軸がケーシングの壁を貫通する部分にパッキン箱を設け、パッキンを挿入して
漏洩を防いでいる。カーボン、フッ素樹脂などの繊維、黒煙を主材とし潤滑剤で表面処
理したものがある。
メカニカルシール
メカニカルシールは漏洩をほぼ完全に止めることができるので、可燃性、毒性の液体
に使用される。ポンプの軸に取り付けられた回転環と、ケーシングに取り付けられた固
定環をポンプ軸に直角な面で接触させて漏洩を止める端面密封方式。→振動に弱い。
メカニカルシールの冷却、潤滑にはフラッシング、クーリング、クエンチングの方法
がある。フラッシングは軸封内部の液を循環することにより熱を除去するもので、しゅ
う動面に異物や不純物が停滞することを防ぐ働きも兼ねており、冷却効果の最も高い方
法である。
ボルトの締付け
手締め法:人の手の力で閉める方法を言います。
トルク法:トルクレンチ等を用いて締付けの力を管理して締め付ける方法です。
テンション法:ボルトテンションと呼ばれる油圧の力を使用して締め付ける方法です。
回転角法:トルク法でスナグ点※1まで締め付け、スナグ点から、回転角度に対する軸力のこう配関係を利用し、回転角度から軸力を設定する方法です。
伸び測定法:超音波軸力計を利用してボルトの伸びを測定しながら締め付ける方法です。
ホットボルディング:高温配管に使用するときに、高温状態で増し締めを行うことを言います。これは金属ガスケットの変形後の復元力が弱いことにより、ボルトが伸びることで漏れることを防ぐためです。
加圧下での増し締め:フランジの加圧下での増し締めは、片締めの原因となります。また、許容応力を超える締付け力でボルトが伸びたり、ガスケットが損傷する可能性があります。大気圧下で締め付けることが重要です。
※1 ねじと座面を密着させるために必要な締めつけトルクを作用させた点を言います。
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