熱力学・気液平衡　練習問題・演習問題　乙種化学　学識

熱力学・気液平衡の過去問傾向

　熱力学・気液平衡については、乙種化学の学識にて出題される分野です。2012年からの過去の12年分から出題傾向をまとめました。熱力学・気液平衡については、傾向があまりなく、年によってかなり異なる可能性があります。複数回出ている項目だけでも9項目あり、その他1度しか出題されたことない問題が15問あります。熱力学・気液平衡が得意な方には問題ありませんが、暗記が多く、理解するのに時間がかかる分野です。

項目	出題数
状態量	6
内部エネルギー	6
ギブズ	5
カルノーサイクル	4
外界と閉鎖系	4
ジュールトムソン膨張	3
熱量	3
ヘンリーの法則	2
ラウールの法則	2
その他	13

練習問題

　ここでは、理想気体の分野における基本的な用語や知識に関する問題を掲載しています。問1～8は過去に複数回出題された内容に関する問題です。問9～13は過去に1度出題されたことのある内容に関する問題です。問14は過去に出題されたことない問題ですが、重要と思われる内容に関する問題です。
　次の各問について、適切な語句や意味を答えなさい。

問1．状態量の定義を答えよ。

問2．断熱圧縮では、気体になされた仕事は何の増加に使われるか。

問3．ギブズの自由エネルギーが増加するのはどういった変化か。

問4．等温膨張、断熱膨張、等温圧縮、断熱圧縮の４工程を経る理想的なサイクルを何というか。

問5．熱力学における系を3つ答えなさい。

問6． 圧縮した気体を細孔から噴出させて急激に膨張させると気体の温度が変化する現象を何というか。

問7．「混合溶液の各成分の蒸気圧はそれぞれの純液体の蒸気圧と混合溶液中のモル分率の積で表される」のは何という法則か。

問8．「揮発性の溶質を含む希薄溶液が気相と平衡にあるときには、気相内の溶質の分圧は溶液中の濃度に比例する」というのは何という法則か。

問9．単位質量の液体を気化させるのに必要な熱量を何というか答えよ。

問10．温度上昇また温度下降を伴う熱のことを何というか答えよ。

問11．一方向への反応速度が非常に大きくて、逆方向の反応が無視できる化学反応を何というか。

問12．熱の出入りがない変化を何というか。

問13．、気相、液相、固相の三相が共存して平衡状態にあるときを何というか。

問14．物質の相変化にのみ使用される熱量を何というか答えよ。

演習問題

　次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。

問1．ジュール－トムソン膨張は等エンタルピー膨張である

問2．一般に自然に起こる変化は可逆変化である。

問3．理想気体の定容変化において、熱を加えると内部エネルギーの増加に使われる

問4．一定圧力、一定体積でそれぞれ同じ熱量で加熱した場合、理想気体における温度上昇は同じである。

問5．同一温度、同一圧力の状態にある理想気体は、気体の種類によって同体積中の分子数が異なる。

問6．外界と系の間で物質およびエネルギーの出入りがない系を閉鎖径、エネルギーの出入りは可能であるが物質の出入りのない系を孤立系という。

問7．定温、定圧条件での気液平衡では、気相と液層のモルギブスエネルギーが等しい

問8．自然に起こる変化はギブスエネルギーは増加する。

問9．断熱圧縮では、気体になされた仕事は内部エネルギーと熱量の増加に使われる

問10．気化熱は、液体中での分子間の相互作用を断ち切るためのエネルギーと仕事に等しい

問11．物質の相変化のみに使われる熱量を顕熱と言う。

問12．エンタルピーは状態量であるが、エントロピーは状態量でない。

問13．エネルギーが変換されるときにはこれによってエネルギーの一部が消滅することはない。

問14．カルノーサイクルの熱効率は、作動流体の種類、高熱源、低熱源によって決まる

問15．ヘンリーの法則では、一定温度で一定量の液体に溶ける気体の体積は圧力に比例する。

問16．ラウールの法則によれば、混合溶液中のある成分の蒸気圧は、同じ温度でのその成分の純物質の飽和蒸気圧と物質量の積に等しい。