熱化学方程式 練習問題・演習問題(特別)

練習問題

問1.単位質量の液体を気化させるのに必要な熱量を何というか。

解答:気化熱

問2.物質の相変化にのみ使用される熱量を何というか。

解答:潜熱

問3.温度上昇また温度下降を伴う熱のことを何というか。

解答:顕熱

問4.反応が早く進む反応促進剤を何というか。

解答:触媒

問5.(生成系のΔHf°の総和) から (原形のΔHf°の総和)を引いて求められるのは何か。

解答:エンタルピー

演習問題

次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。

問1.固体から液体へ相変化する際に必要な熱量は融解熱である。

解答:正しい
解説:融解熱は、物質が固体状態から液体状態へ相変化する際に加えられる熱量を指します。この熱量は、固体と液体の温度が変わらずに相転移が起こる間に吸収されます。

問2.液体窒素を気体窒素に相変化させるために必要な熱量を潜熱という。

解答:正しい
解説:液体の単位質量を気化させるのに必要な熱量を気化熱または蒸発熱と呼びます。

問3.燃焼熱は潜熱である。

解答:誤り 燃焼熱 → 蒸発熱 or 潜熱 → 反応熱
解説:物質の相変化のみに使われる熱量を潜熱と言います。

問4.標準大気圧下で水を0℃から90℃まで加熱するのに必要な熱量を顕熱という。

解答:正しい
解説:物質の温度の上下に関係する熱量を顕熱と言います。

問5. 気化熱あるいは蒸発熱は、単位質量の液体を気化させるのに必要な熱量である。

解答:正しい
解説:液体が気化するためにはエネルギーが必要です。

問6.蒸発熱あるいは気化熱は、一般に1kgまたは1molの液体が気化するのに必要な熱量で表す。

解答:正しい
解説:液体を気化させるのに必要な熱量のことです。

問7.顕熱は、物質の相変化のみに使われる熱量である。

解答:誤り 顕熱 → 潜熱 物質の相変化のみに使われる熱量 → 物質の温度の上下に関係する熱量
解説:物質の相変化のみに使われる熱量を一般に潜熱と言います。

問8.昇華熱は、 潜熱のひとつである。

解答:正しい
解説:融解熱・蒸発熱等があります。

問9.次の式は、メタンの水蒸気との反応の熱化学方程式である。 この反応に関する各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。次のイ、ロ、ハの記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 圧力一定の状態で、低くするとメタンが増加する方向に反応が進む

解答:誤り 高く → 低く or 増加 → 減少
解説:この反応は吸熱反応であるため、温度を上げると反応が進むため、メタンが減少します。

(2) 温度一定の状態で、圧力を高くするとメタンが増加する方向に反応が進む

解答:正しい
解説:圧力が増加すると、分子数を減らす方向に反応が進行します。この反応では、左辺(CH4+H2O ) = 2 、右辺( CO+3H2)= 4 のため、左辺の方が分子が少ないです。そのため、メタンが減少する方向に反応は進行します。

(3) この反応は吸熱反応である。

解答:正しい
解説:熱化学方程式において右辺が+の場合は発熱反応、-の場合、吸熱反応です。

問10.次の式はエタノール合成反応の熱化学方程式である。この反応に関する各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。次のイ、ロ、ハの記述のうち、正しいものはどれか

(1) 圧力一定の状態で、温度を高くするとエタノールが増加する方向に反応が進む

解答:誤り 高く → 低く or 増加 → 減少
解説:この反応は発熱反応であるので、温度を上げるとエタノールが減少する方向に反応が進行します。

(2) 温度一定の状態で、圧力を高くするとエタノールが増加する方向に反応が進む。

解答:正しい
解説:圧力が増加すると、分子数を減らす方向に反応が進行します。この反応では、左辺(C2H4 + H2O) = 2 、右辺(C2H5O)= 1 のため、右辺の方が分子が少ないです。そのため、エタノールが増加する方向に反応が進行します。

(3) この反応は吸熱反応である。

解答:誤り 吸熱反応 → 発熱反応
解説:熱化学方程式において右辺が+の場合は発熱反応、-の場合、吸熱反応です。

問11.温度0℃の水10kg を標準大気圧下で沸騰させ、すべて気体にすると何kJの熱が必要か。ただし、水の比熱容量は4.19kJ/(kg・K)、水の蒸発熱は2,260kJ/kg とする。

解答:23,019 kJ
解説:この問題では顕熱と潜熱を求める必要があります。
顕熱は、4.19kJ/(kg・K) × 10kg × (373K-273K) = 4,190 kJ
潜熱は、2260kJ/kg × 10kg = 22600 kJ
よって、4,190 J + 22,600J = 23,019 kJ

問12.標準大気圧下で、 温度 25.0℃の水を100℃で沸騰させ、すべて気化させた時に熱量が77.23MJであった。水はおよそ何kg沸騰させたか。 ただし、水の比熱容量は4.19kJ/ (kg・K)、水の蒸発熱は2,260kJ/kg とする。

解答:およそ30kg
解説:沸騰させた水の重さをx㎏とすると、77.23 kJは77,230kJ
4.19kJ/ (kg・K) × xkg × (100℃ – 25℃) + 2,260kJ/kg × xkg = 77,230 kJ
⇔ 2574.25x = 77,230 kJ
⇔ x ≒ 30.0 kg

nerima9worker

高圧ガス製造保安責任者試験の研究をしているガス+α 産業ガスの会社に勤務している現役のエンジニアです。 2022年1月から高圧ガスの試験問題・検定問題を研究しています。 平成25年(2013年)の問題から現在までの出題傾向を踏まえオリジナルの類題を掲載しています。

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