燃焼・爆発 練習問題・演習問題 乙種機械 学識

燃焼・爆発の過去問傾向

 燃焼・爆発については、乙種機械の学識にて近年、毎年出題される分野です。2012年からの過去の12年分から出題傾向をまとめました。保安管理技術にも出題される分野です。酸素の量を求める問題や爆ごう等、ほとんど毎年出題されている問題も多くあります。しっかりと覚えて解答しましょう。

項目出題数
酸素の量11
爆ごう8
最小発火エネルギー3
断熱火炎4
火炎温度3
静電気放電2
拡散火炎・予混合火炎2
固体放射2
その他10

練習問題

 ここでは、SI単位分野における基本的な用語や知識に関する問題を掲載しています。問1~7は過去に複数回出題された内容に関する内容です。問8~10は過去に1度出題されたことのある内容に関する問題です。問11は過去に出題されたことのない問題ですが、重要と思われる内容に関する問題です。
 次の各問について、適切な語句や意味を答えなさい。

問1.気体の急速な熱膨張の速度が音速を超え、衝撃波を伴いながら燃焼する現象を何というか答えなさい。

解答:爆ごう

問2.可燃性混合気を発火させるために与えるエネル ギーの最小値を何というか。

解答:最小発火エネルギー

問3.熱損失はなく燃焼熱はすべて生成物の加熱に使用されると仮定して行った時の温度を何というか。

解答:断熱火炎温度

問4.可燃性混合ガスの燃焼速度が最大となるのはどのような時か。

解答:化学量論組成

問5.メタン1molを燃焼するのに必要な酸素の量は何molか。

解答:2mol

問6.火炎温度は断熱火炎温度よりおおよそ何℃程低いか。

解答:100℃

問7.火炎中に含まれるすす等の未燃焼の燃料粒子や灰分などから発生する放射を何というか。

解答:固体放射

問8.塵、小麦粉、プラスチックの粉、金属粉などの可燃性の細かい粉が空気中などに浮遊している状態で発火し爆発する現象を何というか。

解答:粉じん爆発

問9. 可燃性ガスと空気あるいは酸素との混合ガスをある温度以上に保持し、点火源がない状態でも酸化反応が徐々に始まって発火する現象を何というか。

解答:自然発火

問10.ヘリウム、窒素などの燃焼に関与しないガスを何というか。

解答:不活性ガス

問11.加圧化で加熱された状態の液体があるときに、容器が破れたりして圧力が急に解放されると、気液平衡がくずれて突沸状態になって液体が爆発的に蒸発する物理的な爆発を何というか答えなさい。

解答:蒸気爆発(BLEVE)

問12.空気中に可燃性の液体の蒸気およびミストなどが白雲状に広がった状態で発火し起こる爆発を何というか答えなさい

解答:蒸気雲爆発

問13.二酸化炭素、窒素のうち希釈効果が大きい方を答えなさい。

解答:二酸化炭素
窒素と比べると二酸化炭素はモル熱容量が大きいので冷却効果、希釈効果が大きい。

演習問題

次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。

問1.理論上2molの酸素があれば、1molのメタンを完全燃焼させることができる。

解答:正しい
解説:メタンの燃焼反応は CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O なので、酸素2molでメタン1molを完全燃焼できます。
重要:酸素の量に関する問題は過去に11回出題されてます。

問2.理論上7molの酸素があれば、1molのプロパンを完全燃焼させることができる。

解答:誤り 7mol → 5mol
解説:プロパンの燃焼反応は C3H8 + 5O2 → 3CO2 + 4H2O なので、酸素5molでプロパン1molを完全燃焼できます。
重要:酸素の量に関する問題は過去に11回出題されてます。

問3.1molのブテンC4H8と6molの酸素O2の混合ガスの組成は化学量論組成である。

解答:正しい
解説:ブテンの燃焼反応は C4H8 + 6O2 → 4CO2 + 4H2Oなので、化学量論組成の混合ガスです。

問4.可燃性ガスと支燃性ガスがあらかじめ混合された状態で燃焼することを予混合火炎という。

解答:正しい
解説:可燃性ガスと支燃性ガスが反応の場で混合しながら燃焼することを拡散火炎と言います。

問5.ろうそくの炎は予混合火炎である。

解答:誤り 予混合火炎 → 拡散火炎
解説:予混合火炎の例としてはブンゼンバーナー等があります。
重要:拡散火炎・予混合火炎に関する問題は過去に2回出題されてます。

問6.可燃性ガスと空気あるいは酸素との混合ガスをある温度以上に保持しすると発火する。

解答:正しい
解説:点火源がない状態でも一定温度以上に保てば、酸化反応が徐々に始まって発火することをこれを自然発火という。

問7.可燃性の微粉が、空気中に浮遊している状態で発火すると、爆発することがあるが、金属の粉体では起こらない。

解答:誤り 金属の粉体では起こらない。 → 金属の粉体で起こる
解説:粉じん爆発は他にプラスチック粉等でも起こります。

問8.未燃焼ガスが衝撃波により圧縮されて高温となり火炎が超音速で伝ぱする爆発を爆ごうという。

解答:正しい
解説:伝ば後の燃焼ガスは高温となり、ガス密度は大きくなる。
重要:爆ごうに関する問題は過去に8回出題されてます

問9.可燃性混合気体を熱源で発火させる場合、それに必要な最小のエネルギー最小発火エネルギーをいう。

解答:正しい
解説:最小発火エネルギーは化学量論組成付近で最小になります。
重要:最小発火エネルギーに関する問題は過去に3回出題されてます。

問10.未燃ガスが火炎面に直角に入る速度を燃焼速度という。

解答:正しい
解説:一般に化学量論組成付近で最大となります。
重要:燃焼速度に関する問題は過去に3回出題されてます。

問11.. 実際の火炎温度は断熱火炎温度よりも約100℃高いと考えられている。

解答:誤り 高い → 低い
解説:断熱火炎温度が周囲への熱損失がなく、燃焼熱はすべて生成物に使用されていると仮定して計算されます。
重要:断熱火炎に関する問題は過去に4回出題されてます。

問12. 火炎からの熱放射は、熱エネルギーが電磁波として放出される現象で、ガス放射と固体放射に大別できる。

解答:正しい
解説:すすをはじめ未燃焼の燃料粒子や灰等から固体放射は発生します。
重要:固体放射に関する問題は過去に2回出題されてます。

nerima9worker

高圧ガス製造保安責任者試験の研究をしているガス+α 産業ガスの会社に勤務している現役のエンジニアです。 2022年1月から高圧ガスの試験問題・検定問題を研究しています。 平成25年(2013年)の問題から現在までの出題傾向を踏まえオリジナルの類題を掲載しています。

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