物質 練習問題・演習問題(検定用) 丙種化学(特別)

物質の検定問題傾向

 物質については、乙種化学の学識にて出題される分野です。2010年第2回から2024年第1回までの過去の26回分の検定問題から出題傾向をまとめました。物質に関しての出題は傾向が原子、分子、アボガドロの法則等の出題が多いですが、物質の基本的な内容に関するものも出題されています。出題範囲としてはそれほど広くないため、出題範囲をしっかりと覚えて、正解したい分野です。

問1. 物質
項目出題数
2原子分子12
アボガドロの法則11
単体7
アボガドロ定数7
質量保存の法則6
化合物5
密度5
単原子分子4
混合物4
分子量4
体積3
分子の数3
融解2
最小の粒子2
原子核2

練習問題

 ここでは、物質分野における基本的な用語や知識に関する問題を掲載しています。問1~10は物質に関する基本的な内容の問題で複数回出題されています。次の各問について、適切な語句や意味を答えなさい。

問1.物質を化学的に分けていって最後に得られる要素をいい、ただ一種類の原子によって作られる物質をなんというか。

解答:元素

問2.1種類の元素だけからなる物質をなんというか。

解答:単体

問3. 2種類以上の元素が結合してできた純物質をなんというか。

解答:化合物

問4.2種類以上の純物質が混ざったものをなんというか。

解答:混合物

問5.一つの原子だけで分子を構成する物質をなんというか。

解答:単原子分子

問6.三つ以上の原子が結合している分子をなんというか。

解答:多原子分子

問7.「化学反応の前後で、物質の総質量は変わらない」というのはなんという法則か。

解答:質量保存の法則

問8.1molの酸素は何Lか。

解答:22.4L

問9.すべての気体において、同じ温度、同じ圧力のもとで、同じ体積中に含まれる分子の数は常に同じであるといわれるのは何の法則か。

解答:アボガドロの法則

問10:原子は物質を作る基本粒子であり、物質としての性質をもつ最小の粒子をなんというか。

解答:分子

演習問題

 次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。

問1.水、メタン、二酸化炭素は2原子分子である。

解答:正しい
解説:水、メタン、二酸化炭素はそれぞれH2O、CH4、CO2と2種類の元素からなるため2原子分子である。
重要:2原子分子に関する問題は過去に12回出題されてます。

問2.アボガドロの法則によれば、同じ温度、同じ圧力のもとで、同じ体積中に含まれる分子の数は気体によって異なる。

解答:誤り 気体によって異なる。 → すべての気体で同じである。
解説:アボガドロの法則は、「同温、同圧のもとではすべての気体は、同体積中に同じ数の分子が含まれる」という法則です。
重要:アボガドロの法則に関する問題は過去に11回出題されてます。

問3.窒素(N2)は単体である。

解答:正しい
解説:単体は純物質を構成している元素の種類が1種類の物質をいいます。過去には、塩素(Cl2)、酸素(O2)、水素(H2)、炭素(C)があります。
重要:単体に関する問題は過去に7回出題されてます。

問4.アボガドロの法則によれば、1molに含まれる分子の数は同じである。

解答:正しい
解説:「同温、同圧のもとではすべての気体は、同体積中に同じ数の分子が含まれる」という法則で、6.02×1023の粒子(アボガドロ定数)が1mol中に含まれることを意味します。
重要:粒子の数に関する問題は過去に7回出題されてます。過去にはひっかけ問題として「1molに含まれる分子(粒子)の数が物質によって異なる」で3回、「1molに含まれる分子(粒子)の数は分子量に比例する」で2回出題されています。

問5.「質量保存の法則」とは化学変化の前後において、物質の総量(質量)が変わらないことをいう。

解答:正しい
解説:例えば、水素2gと酸素16gが反応して水ができる際の量は18gで反応の前と後で同じ総量は18gとなるということをいいます。
重要:質量保存の法則に関する問題は過去に6回出題されてます。過去6回とも正しい問題として出題されています。

問6.水や水素は化合物である。

解答:誤り 水や水素は化合物である。 → 水は化合物であり、水素は単体である。
解説:1種類の元素だけからなる物質を「単体」といい、2種類以上の元素だけからなる物質を「化合物」といいます。
重要:化合物に関する問題は過去に5回出題されてます。

問7.気体の密度は温度、圧力によって変化しない。

解答:誤り よって変化しない。 → 変化する。
解説:密度とは、単位体積当たりの質量であり、気体の体積は、温度・圧力によって変化するため、温度や圧力によって密度も変化する。
重要:密度に関する問題は過去に5回出題されてます。

問8.酸素と水素は、単原子分子でない。

解答:誤り 単原子分子でない。 → 単原子分子である。
解説:1つの原子で構成している分子を単原子分子といいます。酸素と水素はそれぞれ、O2、H2で表されます。あくまで原子が1つであるため、分子を表す2は関係ありません。
重要:単原子分子に関する問題は過去に4回出題されてます。単原子分子に関する問題では過去4回とも水素と酸素しか出題されていません。

問9.水やエタノールのように、2種類以上の元素からできている物質を混合物という。

解答:誤り 混合物 → 化合物
解説:混合物とは、2種類以上の物質が混ざった物をいいます。
重要:混合物に関する問題は過去に4回出題されてます。混合物の問題は4回とも化合物の説明内容で出題されており、誤りです。

問10.水は水素と酸素から構成されており、2gの水素と16gの酸素が反応すると18gの水が生成する。

解答:正しい
解説:水の生成は2H2 + O2 → H2Oで表され、H2とO2は2:1の割合です。また、水の物質量は18g/molです。
重要:分子量に関する問題は過去に4回出題されてます。

問11.すべての気体は、標準状態で1モルにおよそ22.4Lの体積を占める。

解答:正しい
解説:1モルに22.4Lの体積であるというのはアボガドロの法則です。
重要:体積に関する問題は過去に3回出題されてます。22.4Lは0.0224m3です。誤った解答として22.4m3で出題されたことが1回あります。

問12.アボガドロの法則による1モルに含まれる粒子の数は6.02×1023個である。

解答:正しい
解説:1モルは22.4Lです。
重要:分子の数に関する問題は過去に3回出題されてます。誤った解答として1Lに含まれる粒子の数が6.02×1023個であると2回出題されています。

問13.液体から固体になることを融解という。

解答:誤り 融解 → 凝固 または 液体から固体 → 固体から液体
解説:液体から気体になることを蒸発、気体から液体になることを凝縮といいます。
重要:融解に関する問題は過去に2回出題されてます。

問14.物質としての性質をもつ最小の粒子を原子という。

解答:誤り 原子 → 分子
解説:原子は、「化学的な反応によってそれ以上分割することができない粒子」をいいます。
重要:最小の粒子に関する問題は過去に2回出題されてます。「物質としての性質をもつ」最小の単位を分子といい、正しい問題として2回出題されています。

問15.原子核は陽子と電子から構成されている。

解答:誤り 電子 → 中性子
解説:陽子は、正電気をもち、中性子は電気をもちません。
重要:原子核に関する問題は過去に2回出題されてます。2回とも「ヘリウムの」とつきますが、意味は同じです。

nerima9worker

高圧ガス製造保安責任者試験の研究をしているガス+α 産業ガスの会社に勤務している現役のエンジニアです。 2022年1月から高圧ガスの試験問題・検定問題を研究しています。 平成25年(2013年)の問題から現在までの出題傾向を踏まえオリジナルの類題を掲載しています。