設備の検査については、乙種化学、乙種機械ともに保安管理技術にて出題される分野です。2012年からの過去の12年分から出題傾向をまとめました。設備の検査に関しては9項目出題されておりますが、非破壊検査が必ず出題されます。また、年によって、出題される内容片寄りが多い分野でもあります。出題回数の多い問題についてはしっかりと覚えれば、正解しやすい分野だと考えます。
項目 | 出題数 |
浸透探傷試験 | 7 |
超音波探傷試験 | 7 |
渦電流探傷試験 | 6 |
磁粉探傷試験 | 4 |
可燃性ガスの置換 | 4 |
放射線透過試験 | 2 |
アコースティック・エミッション | 2 |
耐圧試験 | 2 |
始業時 | 2 |
電気器具 | 2 |
酸素欠乏症 | 2 |
その他 | 7 |
ここでは、設備の検査における基本的な用語や知識に関する問題を掲載しています。問1~11は過去に2回以上出題された内容に関する内容です。問12~15は過去に1度出題された問題に関する内容です。
次の各問について、適切な語句や意味を答えなさい。
問1.試験体表面に傷等がないか等、微細な欠陥を検出するのに用いられている試験方法を何というか。
解答:浸透深傷試験
問2.試験体を磁化してすることで磁束を生じさせ、欠陥部(きず)に生じた磁極に強磁性体の微粉末が付着することを利用して、試験体表面や表面近くにある欠陥の位置や形状を検出する検査方法を何というか。
解答:磁気深傷検査(磁粉深傷検査)
問3.放射線が物質を透過する性質と写真フィルムを感光させる性質を使用した検査方法を何というか。
解答:放射線透過検査
問4.試験体に超音波を入射すると、試験体中に欠陥(傷)が存在する場合は、その欠陥(傷)によって試験体の内部を超音波が反射・散乱し、欠陥がない場合、超音波は底面で反射し再び戻って来ることで検査する方法を何というか。
解答:超音波深傷検査
問5.交流電流を流したコイルを試験体に近づけたとき、試験体に生じる渦電流が試験体中の欠陥、形状、寸法の変化を検出することで検査する方法を何というか。
解答:渦電流深傷検査
問6.試験体が外力を受けて変形・破壊するときにエネルギーが解放され、その一部が弾性エネルギーを超音波として放出される現象を利用して検査する方法を何というか。
解答:アコースティック・エミッション試験
問7.定期検査において、所定の圧力に耐えられるか確認する検査を何というか。
解答:耐圧試験
問8.当日の工事計画、、工事状況、危険想定、事象の確認、及び必要事項の伝達などを行うのはいつか。
解答:始業時
問9.火気工事の管理対象としてはどのようなものがあるか。
解答:電気器具の使用時に生じるショートの火花、工具使用時の衝撃火花などの火花、裸火など
問10.不活性ガスに置換後、空気に置換してから酸素濃度を確認後、作業する貯槽はどのような貯槽か。
解答:可燃性ガスの貯槽
問11.空気中の酸素濃度の低下により体内に酸素を十分に取り込めなくなるほど酸素が少なく、空気中の酸素濃度が18%未満の状況を何というか。
解答:酸素欠乏症
次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。
問1.試験体の内部の気孔(ブローホール)を検出するためには、浸透探傷試験は適さない。
解答:誤り 適さない → 適している
解説:浸透探傷試験は内部の気孔(ブローホール)を検出に最も良く用いられています。
問2.浸透探傷試験と磁粉探傷試験は、試験体が金属、プラスチック、ガラス、セラミックである場合に利用できる。
解答:誤り と磁粉探傷試験 → 削除
解説:磁粉探傷試験は非磁性体の試験体には検査できません。
重要:浸透探傷試験に関する問題は過去に7回出題されてます。
問3.アコースティック・エミッション試験は、センサを多数配置することによって、大型の構造物の試験が可能である。
解答:正しい
解説:大型の球形タンクや圧力容器 の非破壊試験に適しています。
重要:アコースティック・エミッションに関する問題は過去に2回出題されてます。
問4.熱交換器チューブの腐食検査に、渦電流探傷試験が用いた。
解答:正しい
解説:熱交換器チューブの割れの検出にも用いられます。
問5.渦電流探傷試験は、導体を試験体対象とできる。
解答:正しい
解説:渦流探傷試験とも呼ばれ、SUS、銅、チタン等の非磁性体にも適用可能です。
重要:渦電流探傷試験に関する問題は過去に6回出題されてます。
問6.磁気探傷試験は、金属に適用できるが、 プラスチック、 ガラス、 セラミックスには適用でない。
解答:正しい
解説:磁粉探傷試験とも呼ばれ、磁粉に蛍光性のものを用い、紫外線を照射して観察すると、欠陥が検出しやすくなります。
重要:磁粉探傷試験に関する問題は過去に5回出題されてます。
問7.超音波厚み計(超音波厚さ計)は、測定したい試験体の厚さ方向に超音波を入射させて、反射面からの伝ぱ時間によって厚さを測定する。
解答:正しい
解説:超音波厚さ計は、腐食による減肉や素材の厚さ測定に用いられます。
重要:超音波探傷試験に関する問題は過去に7回出題されてます。
問8.超音波探傷試験は、 表面欠陥の検出には利用できるが、 内部欠陥の検出には利用できない。
解答:誤り 利用できない → 利用できる
解説:超音波探傷試験は表面に開口した 割れの検出等にも利用できます。
重要:超音波探傷試験に関する問題は過去に5回出題されてます。
問9.放射線透過試験は、放射線入射方向の厚さが熱い場合の欠陥検出に向いている。
解答:正しい
解説:厚さが薄い平面的欠陥の検出には不向きです。
重要:放射線透過試験に関する問題は過去に2回出題されてます。
問10.定期検査における気密試験は、定期検査の取付け段階で実施するのが一般的である。
解答:誤り 取付け → 終了
解説:定期検査の気密試験は、運転開始直前に可能な限り近い定期検査の終了段階で行います。
問11.定期検査では、非破壊検査等を行った後、耐圧試験を行わなければならない。
解答:誤り 行わなければならない。 → 行う必要はない。
解説:設備の定期検査においては耐圧試験は原則行いません。高圧ガス保安法に則り別途行うためです。
重要:耐圧試験に関する問題は過去に2回出題されてます。
問12.塔槽内作業前にガス置換・再置換を行う目的は、可燃性ガスによる爆発、酸素欠乏による作業者の窒息を避けることである。
解答:誤り 有害ガスや有機溶剤による中毒 → を避けるの前に追加
解説:可燃性ガス、酸素、毒性ガスの3種類に対して事故が起こらないように対策が必要です。
問13.酸欠防止は、十分に換気を行って、作業中は酸素濃度を定期的に確認するため、強制換気設備を設置する必要はない。
解答:誤り 強制換気設備を設置する必要はない。 → 換気が十分行えない場合は強制換気設備を設置する。
解説:強制換気設備は、ブロワー等があります。
重要:酸欠に関する問題は過去に5回出題されてます。