保全方式:保全とは保護をして安全を守ることです。保全の方法には様々な方法があり、安全を守るうえで、設備の状態確認や修理は重要です。一方で修理には費用がかかるため、場ランズが重要です。
計画保全・非計画保全
保全は基本的に計画的に行うものです。一方で、計画なく突発的に保全を行う場合があるのも事実です。高圧ガス試験では計画保全についての問題が出題されていますので、計画保全について解説していきます。
予防保全(PM:Preventive Maintenance)
設備の故障、不具合発生、性能低下等を未然に防ぐため、計画的に設備を整備し、突発故障を防止することを目的とした保全方法です。定期的に行う保全と、状態(状況)を見て行う保全の2種類があります。
定期保全(時間基準保全)(TBM:Time Based Maintenance)
あらかじめ決められた周期ごとに部品交換や修理を行う保全方式で時間基準保全とも呼ばれます。設備の状態に関わらず、定期的に行うため、状態を判断するような技術的知識が不要になる一方で、オーバーメンテナンスになる可能性があるため注意する必要があります。
状態基準保全(CM:Condtion Maintenance)
機器の状態を監視し、劣化兆候を把握することで、設備状況に合わせ予測しながら保全する方法です。予知保全(PM:Predictive Maintenance)とも呼ばれ、重要な設備での保全や周期的に行えない設備に対して行うことが多いです。
計画事後保全(BM:Sccheduled Breakdown Maintenance)
設備が故障してからや設備性能が低下してから整備、修理を行うことを前提に計画的に管理する保全です。
改良保全(CM:Corrective Maintenance)
故障が発生した際、二度と同じ故障を起こさないように、改良を含めて整備・修理を行う保全のことです。設計上の改良点を提案し、再設計することも改良保全と言われています。
日常点検・日常検査
日常点検とは、製造を担当する作業者が、日々行う点検のことです。設備を止めることなく、検査用機器等を用いて運転中に行う検査を示し、OSI(On Stream Inspection:日常検査)とも言われます。
使用環境による損傷要因、過去の検査データ、運転条件の変動、類似設備での事故情報等を参考にして検査内容が決定されます。
火気工事は、工事管理の1つですが、設備管理の問題にいくつか出題されることがあります。特に火気については出題が多いため、ここで解説します。
裸火と管理
裸火とは、「炎」「火花」「発熱部を外部に露出した状態で使用するもの」をいいます。例としては溶接作業のアーク、ガス切断、アークガウジングによる溶断や、簡易発電機等に用いる内燃機関の火気、ストーブ類、喫煙等の火気使用があります。
火花と管理
電気設備や電気工具の使用により火花が発生することがあります。火気厳禁の場所においては設置済みの電気設備に対しては防爆構造にするため、火災につながることはありません。しかしながら、工事における電気工具の使用には注意が必要です。また、ハンマーやレンチ等、電気を使用しない工具でも衝撃火花や摩擦火花等が発生することがあります。
高熱設備と管理
高圧ガスで使用する設備は高温になるものがあります。燃焼器、電動機、ヒータ等の極めて高い温度になるため、注意が必要です。
塔槽類での作業前準備
ガス配管への処置
塔槽類を清掃する前に、接続されているガス配管からガスが漏れてこないようにする必要があります。開放する部分の前後のバルブを閉止するだけでなく、バルブや配管の継手に仕切板を挿入します。
「ガス置換」→ 不活性ガス等に置換し火気条件にします。
ガスの種類 | 可燃性ガス | 酸素 | 毒性ガス |
置換条件 | 爆発下限界の1/4以下 | 酸素濃度22vol%以下 | 許容濃度以下 |
「再置換」→ 空気等に置換
置換後の作業条件:置換作業後、人が等塔槽類に入るためには空気に置換する必要があります。
空気への置換:酸素濃度18~22vol%にし、作業中も18~22vol%に保ちます。
毒ガスの塔槽類:塔槽類へ入る前に許容濃度以下であることを確認します。