金属の腐食 練習問題・演習問題(特別)

練習問題

問1.炭素鋼において炭素量の増加とともに大きくなる性質を2つ答えよ。

解答:引張強さ、降伏点

問2.オーステナイトステンレス鋼にクロム(Cr)を18%、ニッケル(Ni)を8%混ぜたステンレスを何というか。

解答:SUS304

問3.フェライト系ステンレス鋼では何に対する応力腐食割れが起こりにくいか。

解答:塩化物

問4.材料がある温度以上で、一定応力のひずみが時間とともに大きくなり、最終的に破断する現象を何というか。

解答:クリープ現象

問5.低温脆性に強い金属を2つ答えよ。

解答:アルミニウム、オーステナイト系ステンレス鋼

問6.酸素濃度の差によって起こる腐食を何というか。

解答:通気差腐食

問7.接触面や付着物との間に形成される腐食を何というか。

解答:すき間腐食

問8.金属材料の結晶粒界だけが選択的に腐食する現象を何というか。

解答:粒界腐食

問9.引張応力を受けている金属や合金が、その応力が引張強さ以下であっても、時間の経過によって起こる現象を何というか。

解答:応力腐食割れ

問10.表面が局部的に点、または孔状に深く侵食される現象を何というか。

解答:孔食

演習問題

 次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。

問1.腐食電池作用により、金属表面が一様に減肉する現象は不均一腐食である。

解答:誤り 不均一 → 均一
解説:不均一腐食は、同じ金属であっても、局所的に材質や表面状態が異なる場合に起こります。

問2.金属表面の不動態皮膜の破壊により局部的に点、または孔状に深く侵食する現象は孔食である。

解答:正しい
解説:ステンレス鋼の場合、塩化物イオンによって局所的に不動態皮膜が破壊され、その部分がアノード反応となり、起こります。

問3.引張応力下にある金属が、腐食環境中で割れを生じる現象を、応力腐食割れという。

解答:正しい
解説:引張応力を受けている金属や合金が、その応力が引張強さ以下であっても、時間の経過によって起こる現象を言います。

問4.水や土壌中で2種類の金属が接触しているとき、一方の金属が腐食する現象を不均一腐食という。

解答:誤り 不均一腐食 → 異種金属腐食
解説:不均一腐食は、同じ金属であっても、局所的に材質や表面状態が異なる場合に起こります。

問5.環境のpHによって、腐食に影響はない。

解答:誤り 影響はない。 → 影響はある。
解説:酸性環境やアルカリ性環境のどちらの場合でも金属によっては腐食されるため、環境によるHよって影響があります。

問6.エロージョン・コロージョンは乾食である。

解答:誤り 乾食 → 湿食
解説:乾食の多くは、高温ガスによって起き直接腐食されることがあります。

問7.SUS304は、約60℃以上の多量の塩化物イオンを含む環境で引張応力を受けると応力腐食割れを生じる。

解答:正しい
解説:SUS304とは18-8ステンレス鋼のことです。

問8. 海水中でステンレス鋼と炭素鋼が接触すると腐食電池ができ、ステンレス鋼が腐食する。

解答:誤り ステンレス鋼 → 炭素鋼
解説:異種金属接触腐食において、腐食電池列によってどちらの金属が腐食するか決まり、炭素鋼は多くの金属に比べて起電力が小さいため、腐食されます。

問9.ステンレス鋼やアルミニウムは海水中で、局部的な腐食を生じる。

解答:正しい
解説:不動態皮膜が、塩化物イオンによって局部的に破壊されるため、ステンレス鋼アルミニウムは腐食されます。

問10.海水中でアルミニウムと炭素鋼が接触すると腐食電池ができ、アルミニウムが腐食する。

解答:正しい
解説:アルミニウムと炭素鋼の腐食電池列はほとんど同じであるが、海水中においては、炭素鋼より卑になるため、アルミニウムが腐食されます。

問11.炭素鋼に焼もどしを行うと、残留応力の除去や加工性が改善される。

解答:正しい
解説:他に硬度の低下や結晶組成の調整が起こります。

問12.炭素鋼に焼ならしを行うと、鋼材の組織を微細化するので靭性等の機械的性質が改善する。

解答:正しい
解説:内部応力の除去の際も行われます。

問13.炭素鋼に焼なましを行うと、硬化する。

解答:誤り 硬化する → 軟化する
解説:焼きなましを行うと、内部応力の除去も起こります。

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