練習問題
問1.金属材料が繰り返し荷重を受けると静的な破壊荷重よりはるかに小さい荷重でも破壊することを何というか。
解答:疲労
問2.高温下で、物体に一定の荷重(応力)を加えると、時間とともに物体が変形していく現象を何というか。
解答:クリープ
問3.過大応力が作用して塑性変形を起こし、引き伸ばされて最終的に破壊することを何というか。
解答:延性破壊
問4.応力が作用して塑性変形を伴わないで破壊することを何というか。
解答:脆性破壊
問5.伸び、絞り、衝撃値は、温度低下とともに減少して、ある温度以下では塑性変形することができなくなって、極めて脆くなる現象を何というか。
解答:低温脆性
問6.使用上安全であると考えられる最大応力を何というか。
解答:許容応力
演習問題
次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。
問1.疲労に関する性質は、横軸に繰返し数、縦軸に応力振幅をとり、応力集中曲線と呼ばれる。
解答:誤り 応力集中曲線 → S-N曲線
解説:Sは「Stress」は、応力振幅、Nは「Number of cycles to failure」で、繰り返し数を表します。
問2.金属材料の破壊の1つである脆性破壊においては、破壊するまでに大きな塑性変形を生じる特徴がある。
解答:誤り 生じる → 生じない
解説:塑性変形を生じる破壊は延性破壊と言います。
問3.クリープに関する性質は、横軸に時間、縦軸にひずみをとったS-N曲線で表される。
解答:誤り S-N曲線 → クリープ曲線
解説:物体に一定の荷重(応力)を加えると、時間とともに物体が変形していく現象をクリープと言い、時間軸に対して描いた曲線をクリープ曲線と言います。
問4.クリープ現象は、一般に、温度が高いほどまた材料の受ける応力が大きいほど起こりやすい。
解答:正しい
解説:材料の融点に近いほど、クリープが起こりやすいため、温度が高くなるほど、クリープは起こりやすいです。
問5.クリープ現象は、 クリープ速度によって区分される三つの段階を経て進行し、 変形の過程で材料は次第に劣化し破断する。
解答:正しい
解説:クリープによって最終的に破断することをクリープラプチャと言います。
問6.材料の許容応力は、基準強さを安全率で割った値として決まる。
解答:正しい
解説:許容応力はで表されます。
問7.疲労限度はある応力レベル以下ではいくら繰返し荷重を与えても破壊しない応力振幅の限界という。
解答:正しい
解説:繰返し与える応力が、疲労限度より十分小さければ、半永久的に寿命が確保できます。腐食環境においては疲労限度が存在しません。
問8.脆性破壊を起こす延性材料では、伸び、絞りの値は、脆性材料と比べて大きい。
解答:正しい
解説:脆性破壊は降伏点や引張強さが大きいと起こりやすい。
問9.板に引張荷重が加わるとき、 断面が一様であれば、 内部に生じる応力は一様であるが、板に切欠き、フィレット、孔がある場合は、 応力は切欠き部に近づくと急激に増大して切欠き、フィレット、孔の底部で最大になる。
解答:正しい
解説:形状が変化する箇所で、応力の大きい部分が生じる現象を応力集中と言います。
問10.炭素鋼は、熱処理によって機械的性質は変わらない。
解答:誤り 変わらない → 変わる
解説:焼きなましによる機械的性質の改善等、様々な方法によって変わります。
問11.炭素鋼は炭素の含有量が増加するほど、引張強さが大きくなる。
解答:正しい
解説:降伏点もC量の増加(パーライトの増加)とともに大きくなり、共析組織で最大となります。伸び、絞り材料の靭性(ねばさ)はC量が増すにしたがって小さくなります
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