電気設備 練習問題・演習問題 乙種化学・乙種機械 保安管理

電気設備の過去問傾向

 電気設備については、乙種化学、乙種機械ともに保安管理技術にて出題される分野です。2012年からの過去の12年分から出題傾向をまとめました。電気設備に関しては9項目出題されており、1度しか出題されていない問題も多くあります。ただ、年によっては、出題される内容が1つの項目について詳しく出題されることもあります。出題回数の多い問題や重要な内容についてしっかりと覚えれば、正解しやすい分野だと考えます。

項目出題数
静電気発生の防止6
最大安全すきま5
静電気4
静電気除去3
本質安全防爆構造2
耐圧防爆構造2
タンクの発火2
静電エネルギー2
非常用電源2
その他20

練習問題

 ここでは、電気設備における基本的な用語や知識に関する問題を掲載しています。問1~9は過去に2回以上出題された内容に関する内容です。問10~13は過去に1度出題された問題に関する内容です。問14以降は、出題されたことはないものの重要と思われる内容を記載しています。
 次の各問について、適切な語句や意味を答えなさい。

問1.静電気の発生を3つ答えよ。

解答:摩擦、剥離、流動、混合・攪拌、噴出、誘導帯電のうち3つ

問2.爆発性雰囲気の中に置か れた標準容器の接合面のすきまを通って爆発の火炎 が内部から外部へ伝播することを阻止し得る最大のすきまの値を何というか。

解答:最大安全すきま

問3.本来電気的に中性である物質の中で正または負のどちらか一方の電荷が他方よりも過剰となる現象が起こり、この時の電荷のことを何というか。

解答:静電気

問4.静電気による帯電量が同じの場合、何の大きな物質の方が静電気が除去しやすいか。

解答:導電率

問5.正常時及び事故発生に発生する電気火花または高温部により爆発性ガスに点火しないことが公的機関において試験その他によって確認された防爆構造を何というか。

解答:本質安全防爆構造

問6.全閉構造で容器内部で爆発性ガスの爆発が起こった場合に、容器がその圧力に耐え、かつ、外部の爆発性ガスに引火するおそれのないようにした防爆構造を何というか。

解答:耐圧防爆構造

問7.引火性液体をタンクローリに充填する場合、発生した静電気を逃がすため何をするか。

解答:接地

問8.帯電物質が導体の場合、放電によって失う放電エネルギーは何と等しいか。

解答:静電エネルギー

問9.停電や電圧変動などさまざまな電源トラブルが発生しても、内部の蓄電池(バッテリ)に蓄えられた電気によりコンピュータにつねに安定した電気を供給する装置を何というか。

解答:無停電電源装置(UPS)

問10.正常時及び事故時に発生する電気火花または高温部を生じてはならない部分に、これらが発生するのを防止するように、構造上及び温度上昇について特に安全度を増加した防爆構造を何というか。

解答:安全増防爆構造

問11.容器の内部に保護気体(清浄な空気または不活性ガス)を圧入して内圧を保持することによって爆発性ガスが侵入するのを防止した防爆構造を何というか。

解答:内圧防爆構造

問12.可燃性混合気を発火させるために与えるエネル ギーの最小値を何というか。

解答:最小発火エネルギー

問13.2つ以上の導体を電気的に接続して相互にほぼ同電位にすることを何というか。

解答:ボンディング

問14.爆発性雰囲気が通常の状態において、連続し長時間にわたり、又は頻繁に可燃性ガス蒸気が爆発の危険のある濃度に達する箇所を何というか。

解答:特別危険箇所

問15.通常の状態において、爆発性雰囲気をしばしば生成するおそれがある場所。室内or通風換気が妨げられる場所、爆発性ガスが滞留するおそれのある場所を何というか。

解答:第一類危険箇所

問16.通常の状態において、爆発性雰囲気を生成するおそれが少なく、また、生成した場所でも短時間しか持続しない場所を何というか。

解答:第二類危険箇所

問17.電力会社からの電力供給に関係なく、文字通り常に稼働させることを原則として発電を行うものを何というか。

解答:常用発電設備

問18.電力会社の停電時などの非常時に作動して電力を供給を行うものを何というか。

解答:非常時発電設備

問19.発生した静電気が物質上に滞留、蓄積することを何というか。

解答:帯電

問20.雷雲が発生したときに落雷を避雷設備誘導することにより、他の設備に影響を与えないように保護する接地を何というか。

解答:避雷接地

演習問題

次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。

問1.電気設備を設置する箇所は、使用するガスの種類に応じて、四つの危険箇所に区分される。

解答:誤り 使用するガスの種類に応じて → 爆発性ガスの存在確率によって
解説:特別危険箇所、第一類危険箇所、第二類危険箇所、非危険箇所の4つに分けられます。

問2.爆発性ガスを取り扱う場所に設置する電気設備は、防爆構造とする必要があるのは、電動機や計測器等で、照明設備は含まれない。

解答:誤り 含まれない → 含まれる
解説:電気を使用する設備は照明も含まれる

問3.通常の状態において、爆発性雰囲気をしばしば生成するおそれがある場所は第二類危険箇所と呼ばれる。

解答:誤り 第二類危険箇所 → 第一類危険箇所
解説:常の状態において、爆発性雰囲気を生成するおそれが少なく、また、生成した場所でも短時間しか持続しない場所を第二類危険箇所と言います。

問4.第二類危険箇所において、微弱な電気を使用する電気設備では、防爆性構造を有する構造とする必要がない。

解答:誤り 必要がない → 必要がある
解説:非危険箇所以外では防爆構造にする必要があります。

問5.最大安全すき間は防爆電気機器の構造選定に用いられることがあり、静電気が防爆機器の外部へ伝ぱすることを阻止しうる最大の値をいう。

解答:誤り 静電気 → 爆発火炎
解説:爆発性雰囲気の中に置かれた標準容器のすきまを通って爆発火炎が内部から外部へ伝播することを阻止し得る最大のすきまを言います。
重要:最大安全すきまに関する問題は過去に5回出題されてます。

問6.配管内に可燃性液体を流す場合、液体中の夾雑物を除去することで、静電気の発生を抑制することができる。

解答:正しい
解説:金属粉等が液体中にあると、流動することで金属粉による静電気が発生するため、静電気の抑制にはならない。この時、配管、可燃性流体の両方とも帯電する。
重要:静電気発生の防止に関する問題は過去に6回出題されてます。

問7.導電率の大きい液体は、ノズルなどから空気中に噴霧しても水滴が帯電しない。

解答:誤り 帯電しない → 帯電する
解説:帯電とは、物体が電気を持つ現象を言い、こすり合うことでも起こります。

問8.導電率の高い物質が静電気により帯電した場合、電荷の供給がなくなると、帯電電荷は減少する。

解答:正しい
解説:導電率の高い物質は、静電気によって帯電しやすい一方で、電荷の供給がなくなれば、帯電しなくなります。
重要:静電気の防止に関する問題は過去に4回出題されてます。

問9.液体の流動に伴う静電気発生の抑制方法として、流速制限、液の吹き出し防止等は効果がない。

解答:誤り 効果がない → 効果がある
解説:液体中の夾雑物の除去も静電気抑制効果があります。
重要:静電気発生の防止に関する問題は過去に6回出題されてます。

問10.容器内で可燃性ガスと共存する帯電物が容器内で放電した場合、その放電エネルギーが可燃性ガスの最小発火エネルギー以上であっても、容器内に支燃性ガスがなければ爆発は起きない。

解答:正しい
解説:最小発火エネルギー以下となるように設計される防爆構造を本質安全防爆構造と言います。
重要:本質安全防爆構造に関する問題は過去に2回出題されてます。

問11.不導体に静電接地をしても、発生する静電気を速やかに除去できない。

解答:正しい
解説:不導体が帯電すると、不導体内の電荷の移動が緩慢なため、電荷を逃しにくいため、静電接地を行っても静電気を逃しにくいです。
重要:静電気発生の防止に関する問題は過去に6回出題されてます。

問12.ボンディングは、金属導体に帯電した静電気を導体を用いて大地に逃がすことである。

解答:誤り ボンディング → 静電接地
解説:ボンディングは、2つ以上の導体を電気的に接続して、相互にほぼ同電位にすることです。

問13.非常用電源として用いられるUPSは、通常時は常用電源と接続されていない。

解答:誤り 接続されていない → 接続されている
解説:UPSは無停電電源装置と呼ばれ、通常時は常用電源と接続されています。
重要:非常用電源の防止に関する問題は過去に6回出題されてます。

問14.避雷設備は、落雷が危険な過電流となることなく、大地に放流するための設備である。

解答:正しい 
解説:避雷設備は、落雷を誘導するための設備です。

問15.タンクの静電気の除去に必要な静置時間は、タンクのサイズと充填した液体の固有抵抗値によって決まる。

解答:正しい
解説:タンク(貯槽)に充填することで静電気が発生し、火災につながることがあります。その対策として充填した後、必要時間静置することで、静電気を緩和、除去することができます。

nerima9worker

高圧ガス製造保安責任者試験の研究をしているガス+α 産業ガスの会社に勤務している現役のエンジニアです。 2022年1月から高圧ガスの試験問題・検定問題を研究しています。 平成25年(2013年)の問題から現在までの出題傾向を踏まえオリジナルの類題を掲載しています。

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