理想気体の状態方程式 練習問題・演習問題(特別)

練習問題

練習問題を回答する前に・・・

P:Pressure(圧力)、V:Volume(体積)、n:物質量、R:気体定数8.314[J/(mol・K)] = 8.314×103[Pa・L/(mol・K)]、T:Temparature(温度)
1m3 = 1000L、1MPa=1.0×106Pa、1kMPa=1.0×103Pa、T(K)=t(°C)+273(K)

問1.理想気体の状態方程式を書きなさい。ただし、P:圧力(Pressure)(Pa)、V:体積(Volume)(m3)、n:モル数(mol)、R:アボガドロ定数 8.314(J⋅K−1⋅mol−1)とする。

解答:PV=nRT

問2.理想気体の特徴を2つ答えなさい。

解答:分子間力が働かない。分子自身に体積がない。

問3 3Lの容器の中に、22gの理想気体Aが圧力2.0MPa、温度27°Cで存在する。理想気体Aの分子量を求めなさい。

P=2.0×106、V=3.0、T=300(K)とし、物質量n=物質の量m/分子量Mなので、n=22/Mとすると
理想気体の状態方程式にPV=nRTに代入して
2.0 × 106 × 3.0 = 22/M × 8.314 × 103 × 300
⇄ M = 22 × 8.314 × 103 × 300 ÷ 2.0×106 ÷ 3.0
⇄ M = 9.145 (g/mol)
解答:9.15 g/mol

問4 27℃、3.0MPaで3Lを占める酸素の物質量を求めよ。

P=3.0×106、V=3.0、T=300(K)、物質量nを理想気体の状態方程式にPV=nRTに代入して
3.0 × 106 × 3.0 = n × 8.314×103 × 300
⇄ n = 3.0 × 106 × 3.0 ÷ 8.314 × 103 ÷ 300
⇄ n = 0.4009 (mol)
解答:0.40 mol

問5 圧力2.0MPa、温度77°C、物質量4.5molの理想気体が占める体積はいくらか求めなさい。

P=2.0×106、T=350(K)、n=4.5を理想気体の状態方程式にPV=nRTに代入して
2.0 × 106 × V = 4.5 × 8.314×103 × 300
⇄ V = 4.5 × 8.314×103 × 300 ÷ 2.0×106
⇄ V = 5.61 (L)
解答:5.61 L

問6 3Lの容器の中に57℃における16gの酸素がある。圧力を求めなさい。

 V=3.0、T=350(K)、n=16/32を理想気体の状態方程式にPV=nRTに代入して
 P × 3.0 = 16/32 × 8.314 ×103 × 330
 ⇄ P = 0.5 × 8.314×103 × 330 ÷ 3.0
 ⇄ P = 1.4012×103 (Pa)
 解答:1.40×105 Pa

問7 1Lの容器の中に圧力5.0MPaの窒素が56gある。温度を求めなさい。

P=5.0×106、V=5.0、n=56/28を理想気体の状態方程式にPV=nRTに代入して
5.0 × 106 × 1.0 = 56/28 × 8.314 × 103 × T
⇄ P = 5.0 × 106 × 1.0 ÷ 8.314 × 103 ÷ 2.0
⇄ V = 300.69 (K)
解答:300°C

演習問題

次の各問いに対して正しいかどうか答えなさい。また、誤っている場合、誤りの部分を正しく直しなさい。計算問題は計算過程も記載して答えなさい。

問1.メタンを真空の容器に25℃で0.20MPa (ゲージ圧力)まで充てんした。温度が103℃になると、容器内の圧力 (ゲージ圧力) はおよそいくらになるか。 ただし、メタンは理想気体とし、 大気圧は標準大気圧として計算せよ。

 解答・解説:
 ボイル・シャルルの法則より 

において、容器の体積は一定であるからV1=V2となる。ゲージ圧が0.20MPaなので、絶対圧はP1=0.20+0.101=0.301
 ボイルシャルルの式を変形して、

 絶対圧が0.380MPaなので、ゲージ圧は0.280MPa
 解答:0.280MPa

問2. 標準状態(0℃、 1atm)において100m² を占める窒素ガスの質量はおよそ何kgか。 ただし、窒素の原子量は14.0 とする

解答・解説:
窒素100m2の物質量は、1m2が1,000Lであるから100 × 1,000(L) ÷ 22.4(L) = 4,464mol
窒素は化学式がN2なので、1molあたりの窒素分子の重さは28g/mol
窒素の物質量は、 28(g/mol) × 4,464(mol) = 125,000g = 125kg
解答:125kg

問3.内容積10Lの真空容器に酸素を充てんしたところ、容器内の酸素は温度27.0℃で圧力が5.00MPa (ゲージ圧力)になった。 何kgの酸素が充てんされたか。 大気圧は 0.101 MPaであり、酸素は理想気体で分子量は32.0とする。

解答・解説:
理想気体の状態方程式より、物質量nは、
分子量が32g/molなので、重さmは、
m = 32 (g/mol) × 20.4 (mol) = 652.8 g ≒ 0.65 kg
解答:0.65㎏

問4.圧力が一定ならば、気体の体積は熱力学温度に反比例する。

解答:誤り 反比例 → 比例
解説:シャルルの法則によりVT=cとなります。これは式を変形するとV=C/Tのため、温度に比例しています。

問5.温度が一定ならば、気体の体積は絶対圧力に反比例する

解答:正しい
解説:ボイルの放送区によりPV = cとなります。これは式を変形するとV=c/Pのため、圧力に反比例しています。

問6.密閉容器内の気体の温度を10℃から100℃に上昇させると 気体の絶対圧力は 10℃における絶対圧力の10倍になる。

解答:誤り 10倍 → 1.32倍 
解説:温度10°Cで容器に密閉された気体の圧力をP1とし、100°Cになった際の圧力をP2とすると、ボイルシャルルの法則より、

となるので、およそ1.32倍です。

問7.気体の温度を変化させずに一定量の気体の体積を2倍に膨張させると絶対圧力は2倍になる。

解答:誤り 絶対圧力は2倍 → 絶対圧力は1/2
解説:ボイルの法則よりPV=c(一定)のため、体積を2倍にした場合、圧力は1/2になります。

問8.気体の密度は、 気体の分子量に比例する。

解答:正しい
解説:気体の密度ρはρ=MVで表されます。Mは物質量(g/mol)、Vは体積です。1mol当たりの体積はすべて22.4Lなので、分子量が大きいほど、密度が大きくなります。

問9.次の気体について、標準状態 (0℃、 標準大気圧)における密度の小さいものから大きいものへ左から順に並べなさい。①水素 ②酸素 ③窒素 ④ブタン

解答:①水素、③窒素、②酸素、④ブタン
解説:気体の密度は分子量に比例します。そのため、分子量の大きさがわかれば解答可能です。水素:2g/mol、酸素:32g/mol、窒素:28g/mol、ブタン:58g/mol

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