乙種化学について
高圧ガス製造保安責任者試験乙種化学は、毎年2,000人程度の方が受験されます。受験者の方のほとんどが、業務上必要なため、受験される方が多く、その合格率は20~30%と決して高くない合格率です。
乙種化学の試験科目は学識、保安管理、法令の3科目です。試験時間はそれぞれ、学識:120分、保安管理:90分、法令:60分のテストです。特に、近年は保安管理の傾向が変わっており、合格が難しくなっています。
学識、保安管理に出題される各分野の体系的な説明と問題を作成しました。乙種化学の合格に役立てていただけると幸いです。
学識
乙種化学の学識を大きく分けると1.気体の一般的性質、2.熱力学、3.化学反応式、4.爆発、5.ガス各論の5分野に分かれます。
しかしながら、過去12年間の試験問題の傾向を分析すると、出題順序は年によって異なるものの、出題内容は下記の場合が多いです。
No | 分野 |
1 | SI単位 |
2 | 気体の性質 |
3 | 熱力学・気液平衡の計算 |
4 | 熱力学・気液平衡 |
5 | 反応速度 |
6 | 化学反応式 |
7 | 化学平衡 |
8 | 燃焼熱・エンタルピー |
9 | 燃焼・爆発(ガスの種類)※ |
10 | ガスの種類 |
11 | 燃焼・爆発 |
12 | 燃焼・爆発 |
13 | 燃焼・爆発 |
14 | ガスの性質 |
15 | ガスの性質 |
※年によって、出題が異なり、出題率はほとんど半々です。
上記から11分野に分けられると考えられます。11分野についての解説を作成しました。学習の参考にしていただけると幸いです。
保安管理
乙種化学の保安管理を過去12年分の傾向を確認すると下記15分野に分けることができます。この15分野は出題の順番こそ変われど、満遍なく毎年出題されています。この15分野に分けてそれぞれ勉強することが必要です。各分野の出題される内容についての解説を作成し、リンクを貼り付けています。学習の参考にしていただけると幸いです。
No | 分野 |
1 | 燃焼・爆発 |
2 | ガスの性質・利用方法 |
3 | 材料 |
4 | 計測機器 |
5 | 貯槽・管継手・弁・反応器 |
6 | ポンプ・圧縮機 |
7 | 流動・伝熱・分離 |
8 | 流体の漏洩 |
9 | 安全・信頼性管理 |
10 | 電気設備 |
11 | 保安設備 |
12 | 防災設備 |
13 | 運転管理 |
14 | 設備管理・工事管理 |
15 | 設備の検査 |
学識の問題集
2023年までの過去12年間の試験問題から15問がどのように出題されるのか、分析をしました。過去12年間の出題を下記に記載します。
問 | 分野 | おすすめ順 |
1 | SI単位 | 1 |
2 | 気体の性質 | 3 |
3 | 熱力学・気液平衡の計算 | 8 |
4 | 熱力学 | 11 |
5 | 反応速度 | 4 |
6 | 化学反応式 | 2 |
7 | 化学平衡 | 5 |
8 | 反応熱・エンタルピー | 6 |
9 | 燃焼・爆発(ガスの種類)※ | 9 |
10 | ガスの種類 | 7 |
11 | 燃焼・爆発 | 9 |
12 | 燃焼・爆発 | 9 |
13 | 燃焼・爆発 | 9 |
14 | ガスの性質 | 10 |
15 | ガスの性質 | 10 |
※年によって、出題が異なり、出題率はほとんど半々です。
このように分析すると、どの分野が多く出題されているのかやどの分野が毎年出題されるのかが明確になります。例えば単位に関して毎年出題されていることが多く、覚える内容もそれほど多くないため、必ず得点源にしたい分野です。一方で出題が多いものの、暗記範囲が多いガスの性質に関しては、試験までの勉強時間があまりない場合、後回しにするなど、学習の順序や学習の取捨選択をすることも可能です。
上記はあくまで過去の傾向のため、必ずしも上記通りに出題されるとは限りません。また、出題される順序や分野の内容も毎年同じではなく、変わることもあります。全ての分野を勉強することをオススメしますが、合格に少しでも近づけるように参考にしていただけると幸いです。
保安管理の問題集
既に記載した通り、全15問とも分野の偏りはなく、満遍なく出題されます。そのため、傾向に偏りがなく網羅的に暗記する必要があります。そのためには、単に内容をインプットするだけでなく、問題を解くことでアウトプットし、記憶の定着が重要です。高圧ガス試験の過去問を解くことで定着することができます。それに加えて、それぞれの分野ごとに学習することでより理解がしやすくなり、同じような問題を解くことで、定着させることができるかと思います。各分野ごとの練習問題、演習問題を作成し、リンクを貼り付けています。また、各分野の隣におすすめの学習順を記載しています。後半に出題される問題については出題内容に偏りが多く、また、その分野単体での学習が可能です。暗記量の多いガスの性質は時間に余裕がない場合、後回しにする方が良いかと思います。高圧ガス設備に関係する問5、問6、問8、問13は続けて学習する方が関連性がわかり、効率が良いかと思います。
問 | 分野 | おすすめ順 |
1 | 燃焼・爆発 | 7 |
2 | ガスの性質・利用方法 | 15 |
3 | 材料 | 8 |
4 | 計測機器 | 9 |
5 | 管継手・弁・反応器 | 10 |
6 | ポンプ・圧縮機 | 11 |
7 | 流動・伝熱・分離 | 12 |
8 | 流体の漏えい | 13 |
9 | 安全・信頼性管理 | 6 |
10 | 電気設備 | 5 |
11 | 保安設備 | 4 |
12 | 防災設備 | 3 |
13 | 運転管理 | 14 |
14 | 設備管理・工事管理 | 2 |
15 | 設備の検査 | 1 |
この出題傾向は毎年ほとんど変わることがありません。15問すべてがそれぞれ、別々の分野のため、暗記量も膨大になります。1日、1分野ずつでも学習する必要があるといえそうです。もちろん、上記はあくまで過去の傾向のため、必ずしも上記通りに出題されるとは限りません。合格に少しでも近づけるように参考にしていただけると幸いです。