爆発(燃焼)範囲
気体が爆発するには、気体の濃度が大きく関係します。濃度が薄すぎると爆発せず、また濃すぎても爆発しません。爆発には濃度による範囲があります。この濃度の最小値を爆発下限界、最大値を爆発上限界と言います。
主な気体の爆発(燃焼)範囲
気体 | 下限界 | 上限界 |
水素 | 4.0 | 75.0 |
メタン | 5.0 | 15.0 |
エタン | 3.0 | 12.5 |
プロパン | 2.1 | 9.5 |
ブタン | 1.8 | 8.4 |
アンモニア | 15.0 | 28.0 |
アセチレン | 2.5 | 81.0 |
エチレン | 2.7 | 36.0 |
また、ある可燃性物質に対し、不活性ガスを加えることで爆発範囲がどうなるかが下記の図で示されます。
ある物質αについて二酸化炭素の希釈による爆発範囲を下記とします。
この図の読み方は読みたい物質を頂点にし、左側の目盛が濃度を表します。A点における各ガスの濃度は、αが40%、酸素が40%、二酸化炭素が20%です。酸素を頂点としたとき、爆発範囲に接する線を記入すると酸素濃度が13%の時です。これは、およそ13%を下まわると爆発範囲から外れることを意味します。これを限界酸素濃度と言います。
爆発下限界に関して温度に対し、どのように変化するのかは下記の式で表されます。
Lt:t°Cにおける濃度、L25:25°Cにおける濃度、t:温度この式から温度tが1000°Cの時、およそ72%爆発下限界は上昇します。このことから、一般に、温度の上昇とともに爆発下限界は低下すると言えます。
最小発火エネルギー
最小発火エネルギー・・・爆発範囲内にある可燃性混合ガスを発火させるのに必要な最小のエネルギーをいいます。圧力の増大とともに著しく小さくなり、温度が高くなるほど小さくなり、発火の危険性が増すので注意が必要です。最小発火エネルギーが小さいということは、小さいエネルギーで爆発しやすいことを示し、非常に危険なガスと言えます。
また、最小発火エネルギーの大きさに対する順番を答える問題も良く出題されます。
主な気体の最小発火エネルギー
気体 | 最小発火エネルギー(10-5J) |
水素 | 1.6 |
二酸化炭素 | 0.9 |
メタン | 28 |
エタン | 24 |
プロパン | 24 |
ブタン | 26 |
アンモニア | 1400 |
アセチレン | 1.9 |
エチレン | 9.6 |
二酸化炭素 < 水素 < アセチレン < メタン < エタン < プロパン < ベンゼン < アンモニア
高圧ガスの試験における最小発火エネルギーで最も大きいのはアンモニアで、アンモニアはよく出題されます。
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